巷で話題のフィンランド教育。タケルンバさんの「フィンランドの5年生がまとめた議論のルールが凄い」という記事が爆発的ヒットしてますけど、日本教育とは教育方針そのものが根本的に違う。留年が普通とか、問題が殆ど論文形式とか、言い出したらきりが無い程です。
フィンランド教育については、前に書いた記事に書いてあるので、そちらを参照。

日本の不満タラタラ教育で育った人にっては、友達の目新しいおもちゃのように羨ましい。
こんな時、人は対抗心が湧き上がる。見返したい。だけど、日本の教育システムはお世辞にも凄いとは言えません。ただ、日本にも凄い教育メソッド(方法)があるんです。

そう、ドラえもん!
藤子先生は教育漫画じゃないと言ってますが・・。

ドラえもんは22世紀から、のび太くんを立派な大人にする目的(2112年ドラえもん誕生 より)でやって来ています。ドラえもんは(子守用ロボット)、ネジが飛んだ話は端折って・・。のび太くんを教育するのがお仕事なワケです。ただ、その教育メソッドが凄い。藤子メソッドでも言うのか?アメとムチっぷりが容赦ない。ドラえもんは怖い話が多いのも有名ですけど、(のび太くんを10年間無人島に放置する)という話はあまりにも有名。とにかく、奈落の底まで突き落とす。

そんな一方、良い話はめちゃくちゃ素敵(両極端)。まさに、アメとムチです。

スターバックスのコーヒーと紙パックのコーヒーです。違いの分かる大人??

そんなこんな、「ドラえもん式アメとムチ教育メソッド」がこちら。(↓)
1.雪だるまになって遊んであげよう。(雪だるまドラ太郎)
2.何度つまずついても、そのたびに立ち直る強さも持っているんだよ。(45年後)
3.じゃ、ミサイルでもうちこんでやるか!(のび太の秘密基地)
4.気に入らないからって消していったら、キリが無いんだよ。(のび太は独裁者)
5.親の愛が分からないなら、10年間無人島へ置き去りにしょう。(無人島は僕の島)
6.一歩を踏出すには勇気が必要だけど、その勇気だけは失わないでほしい。(タンポポ空を行く)
7.科学は人間の生活を豊かにしたが  同時に心を貧しくしたのではあるまいか(ブリキの迷宮)
8.でも、本当に僕は変わったのかな?(のび太の結婚前夜 予告)
すいません、全て雰囲気で付けました。)

1.ガンバリを見つけ、雪だるまになって遊んであげよう。(雪だるまドラ太郎)


雪が降ったある日、のび太はおおはしゃぎで「雪だるま」を作り始るんです。
ただ、恒例の如く上手に作れず(ドラえも〜ん)と助けを呼ぶのですが、ドラえもんは助けてくれない。怒りながらも1人で「雪だるま」を完成させます。翌朝、完成させた「雪だるま」を見に行くのび太でしたが、なんと!「雪だるま」が動いているのです。

(さ ては、ドラえもんが何かしたんだな!)そう思ったのび太は、その雪だるま「ドラ太郎」と遊び始めるのですが、羨ましく思った(ジャイアンとスネ夫)が「ドラ太 郎」を奪おうとします。しかも、「ドラ太郎」を川に落とそうとした挙句、2人は誤って川に落ちてしまうのです。溺れる2人。間一髪、「ドラ太郎」が川に飛び 込みギリギリで2人を救出。しかし、「ドラ太郎」は雪だるま。川の水で溶けてしまったのです。悲しむ3人・・。その時、川の中からボコボコという音。なん と!ドラえもんが出現したのです。そう、「ドラ太郎」の中身はドラえもん。のび太の頑張りを褒めてあげようと思った結果、自分が雪だるまの中に入ってし まったのでした。(笑)

YouTube - ドラえもん 第1434話「雪だるまドラ太郎」:
ドラえもんは優しいです。秘密道具を使えば良いのに、自らを犠牲にしてのび太を褒めてあげようとする。世間じゃ「雪たるま」なんて、5歳児でも作れます。何も凄い話じゃない。ドラえもんに甘えすぎです。けど、のび太は必死。「雪だるま」1つも作れないんです。失敗して、失敗して、やっと完成させた「雪だるま」。小さな成果だけど、のび太にとっては人の何倍にもなる。

のび太を褒めよう思って、ドラえもんが「ドラ太郎」となって雪だるまの中に入ってた。
甘〜い話(甘やかし過ぎだろ!)ですよ。けど、カッコイイ。ちゃんと評価してあげたって・・。^―^

2.何度つまずついても、そのたびに立ち直る強さも持っているんだよ。(45年後)



     

45年後の未来からやって来た(大人のび太)の「子供時代に戻りたい」というお願いで、のび太と入れ替わり、子供時代の懐かしい日々を満喫して帰る話なんですが・・

帰り際、のび太にこんな言葉を残して帰って行くんです。
何度つまずついても、そのたびに立ち直る強さも持っているんだよ。
今の世の中(一度レールから外れたら終わり)そんなコトがよく言われます。事実、そんな面もある。人生はつまづきの永久機関。でも、そこから逃げたら終わり。永久機関だって、1度止まれば2度と動かない。ドラえもんはのび太という(ぐ〜たらダメダメ)言ってみれば最悪な子が主役。そんな子が頑張る姿を通して、子供たちへ(つまづいたって、立ち直れる。がんばる心があれば、夢だって実現できるんだよ!)というメッセージ。タイムマシンじゃなく、「漫画」という道具を使って、未来へ。ドラえもんの中で一番使える道具は「漫画」なのかもしれませんね。(笑)

3.じゃ、ミサイルでもうちこんでやるか!(のび太の秘密基地)


怖い、怖い。ジャイアンに山の洞穴にあった秘密基地を奪われた時に言ったセリフです。

秘密基地をのび太から奪ったジャイアンも悪いです。だけど、いきなり(じゃ、ミサイルでもうちこんでやるか!)ですよ・・。それで、洞穴でジュースを飲んでる(ジァイアンとスネ夫)に向けてミサイルを発射しますからね。ドラえもんの(泣き寝入りしちゃ行けない)という思いも分かる。アニメで誇張演出している面もある。けど、いじめられっ子にとって、いじめっ子と戦うのは(ミサイル VS 人)位の勇気やパワーが必要なのかもしれません。

まぁいつも通り、やり過ぎてママにミサイルで脅されるオチなのですが・・。(笑)

4.気に入らないからって消していったら、キリが無いんだよ。



     

これも怖い(↑というか、目が既に怖いです)。

誰でも(こいつ嫌いだなぁとか、親や友達がウザったい)という思いが頭をよぎった経験ってありますよね。親に怒られたり、嫌いな同僚や同僚や同級生が居て(こいつが消えたら、何て楽しい世界なんだろう)って・・。わかり易い例で言えば「肉親の死」ですよね。どんだけ親子喧嘩して(あまえは絶縁とは!)と言い合った家族でも、いざ肉親の死という現実を突きつけられたら、愛情やすっぽり空いた空間を嫌でも知る。悲しいかな、無くなってから初めて気が付けた・・。

のび太も世界中の人を消し喜びますが、次第に誰も居ない「孤独感」に悩み始めます。
自分も子供時代は他人との人間関係ってそんな意識する程じゃないけど、年齢が上がるに従って、周りの重要性や大切さを身に染みて感じて来ています。その辺について、藤子先生がこんな事を語っています。(↓)
ドラえもんはあくまで空想であって、哀しいかな現実にはいないんです。

ですが、結果として、人間は何かのトラブルにぶつかって、いろいろ悩みながら切り抜けていくことで成長していく。それが大多数の人生のあり方ですよね。 それに、ドラえもんのようにまとまった形での助っ人は存在しないけれども、さまざまに助けてくれる人がいたり、そういう状況があったりするものなのです。だから、ある意味で、ドラえもんはどこにでもいると、そういっていいと思うんです。

なぜ今『ドラえもん』を論じるか:
近所だけでも良かったよね?

5..親の愛が分からないなら、10年間無人島へ置き去りにしょう。(無人島は僕の島)


ドラえもんの中で最も謎に包まれている作品。ネットやブログでも、数々の仮説が議論になっています。ululunさんの仮説とか、よく考えた付いたなぁと思いますね・・。
「逆に考えるんだ」って事なんだと思いますよ。 つまり「無人島はドラえもんが仕掛けた罠」説。これ最強。(中略)

無人島はドラえもんが用意した島。タケコプターもポケットから出てきたアイテムもドラえもんが準備したと仮定した場合、どんな事が起きるのでしょう(中略)。

恐らくドラえもんは何らかの方法でのび太がどんな事をするのかを事前に知っており、その為の準備をしていた。

ドラえもんは全てを知り尽くした上でのび太自ら反省をする為にあのような周到な仕掛けを施したのではないか、と思うのです。

ドラえもん無人島ネタは、ドラえもんの仕掛けた罠 - 煩悩是道場:
ドラえもんが仕掛けた罠かどうか知らないけど、藤子先生が裏で糸を引いているのは確か。藤子先生は「独裁スイッチ」の話もそうだけど、擬似体験させるのが流儀みたいです。映画でも(地上を洗い流してみる)とか、「独裁スイッチ」の(世界中の人を消す)とか、のび太を極限の状態に置こうとする。人は無くなって初めて気が付く事がある。のび太を利用して(変な言い方?)、無くなる前に知って欲しい。無人島の話で(のび太を探す場面)が描かれないのも、助け出す過程じゃなく、子供たちに(親の気持ち)を知って欲しいという糸(意図)かもしれません。

ドラえもんに逆らったら20年間くらい放置されそうだ・・。(笑)

6.一歩を踏出すには勇気が必要だけど、その勇気だけは失わないでほしい。(タンポポ空を行く)


実は(というほどじゃないかしら)のび太の心の中だけで出来たようなお話があります。 それが18巻の「タンポポ空を行く」です。 これは、のび太と偶然のび太の家で咲いたタンポポとのふれあいの話なんですが… けなげなタンポポと、のび太のやさしさと成長に涙した人も多いことでしょう。

この「タンポポ空を行く」の内容を見ると、のび太は
■なまけものの自分は今にきっとこうかいするだろう。
■でも、普段なまけものだから、変わったことをするとろくなことをいわれないだろう。
■苦手にはぶつかっていきたい…でも逃げてしまっている。
■取り残されている自分は、勇気がなくてみんなに出来ることが出来ていない。
■勇気をだせば未来はきっとこわくない、何処かできれいな花を咲かせることが出来る…
などと考えていることがわかるような気がします。

DoraemonPage のび太の心理:
そうなの、誰だって内心では頑張りたいと思ってる。「ニート」や「引きこもり」だって本音では(頑張りたい!)(一度くらい、働いてみたいなぁ)と思っているかもしれない。車と同じで最初の一歩には相当なエネルギーが必要。走り出せば楽なんです。でも、それが怖い・・。

ドラえもんは最終回(仮説は除く)は存在していない。けど、自分の中では本当の意味での最終回は「のび太の結婚前夜」だと思うんです。ジャイ子と結婚、借金取りに追われて破産する運命だったのび太。けど、未来は変わった。大人になって(しずかちゃん)という守るべき存在ができた。そして、一歩を踏出す勇気も手に入れた。今の世の中(一度レールから外れたら終わり)とか言われるけど、そうじゃない。のび太のようなダメ人間だって夢や希望を実現できるんです。

そう、夢観る心があれば・・。(のび太と銀河超特急の予告より)

7.科学は人間の生活を豊かにしたが  同時に心を貧しくしたのではあるまいか(ブリキの迷宮)


長くなったのでさら〜っと。

     

携帯は心を貧しくしている。だって、使ってたら周りが見えないですもん・・。(笑)

8.でも、本当に僕は変わったのかな?(のび太の結婚前夜 予告)


恒例の如くグタグタ。教育メソッドだったけど、後半はメソッドじゃないというオチです。教育メソッドの前に、文章術メソッドを学ばないと・・。まぁ長々長々書きましたけど、ドラえもんの中には現代人に足りないエッセンスが盛り込まれていると思います。藤子先生の「科学は人間の生活を豊かにしたが  同時に心を貧しくしたのではあるまいか」という言葉。特に、「秋葉原の事件」や「プロフ問題」に代表されるように、子供や若い世代は(心を貧しく)していると思います。

けど、携帯(スイカ)が無くちゃ電車にも乗れない現代ですよ・・。

過去は変えられないけど、未来は変わることだってある。少なくとも、未来には希望や夢を持って生きたいと思います。少なくとも、願望としては・・。なんて、SF記事でした。(笑)