崖の上のポニョ [DVD]
崖の上のポニョ [DVD]
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ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント (2009-07-03)
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遅ればせながら鑑賞。楽天レンタルで借りました。宮崎駿監督の「ハウルの動く城」以来4年ぶりとなる作品という事でかなり期待してました。公開時はブログで色々な方が感想を書かれていましたが、ネタバレが避けたかったんであまり見れませんでした。正直言うと、期待とはちょっと離れていたかな?という印象です。

主人公である宗介(土井洋輝)は海で金魚(ポニョ)(ならゆりあ)を発見する。瀕死状態だったポニョを水の中に入れて助けてあげた宗介。ポニョは宗介に好意を抱き、人間になりたい。父親であるフジモトに告げる。しかし、フジモトは反対をする。そんなさなか、ポニョは妹たちの手助けもありフジモトの家より脱出。宗介の元へと向かう。ポニョの母であるグランマンマーレはポニョの願いどおり、人間にしてあげたいと思う。しかし、その魔法は失敗すれば泡となってしまうものだった…。

本作の特徴は作業の大部分が手書きで行われているという点でしょう。「プロフッェショナル仕事の流儀」でその場面が放送されていた回を視聴しましたが、宮崎駿の製作現場という事でかなり楽しいんで視聴していた記憶があります。宮崎監督の部屋には、ポニョが海面を走る絵がかけられていました。そう、本作の重要なシーンとなるワンシーンです。正直に感想を言えば、この作品は重過ぎます。ポニョが何を意味しているのかさっぱりわかりません。「宗介とこきたーー!」という台詞にはきゅんとさせられます。王道なら宗介とのポニョとの友情であり恋愛を描くのがベターですが、本作でのポニョは上映時間の半分、寝ています。

ただ、一つ言えばストーリー上の説明が何もありません。
正確に言えばハッピーエンドな娯楽作品なんですけどね…。

一部のブログではこの作品を息子である宮崎吾朗監督に向けて書かれたものだという説もあるようですね。
それに加えてリサが通う老人ホームにいるおばあちゃんたち。これが何を意味しているのか分かりませんでした。噂では宮崎監督のお母さんを投影されている…何ていう話しもありますが、本作ではキーとなる位置にいますし、それなりに活躍します。

ポニョという魚?の存在。フジモトとグランマンマーレの関係。街が水没した理由、ポニョがトンネルを拒んだ理由。とにかく消化不良の多い映画でした。声優に関しては言うまでもないですが、それなりの完成度です。本音で言えば全員本職の声優さんで良いと思いますが、宣伝的な兼ね合いもあるのでしょう。本作で宮崎監督が追求したかったのは、徹底した手書き主義の追求だったのかもしれません。宮崎監督は言っていました「千と千尋の神隠し」で最新技術についてはやり尽くした、と。が、この作品はその真逆です。ただ不満はあるによせ興行収入150億円という事で一応、結果は出している。それほど文句が言えない作品であるのは事実です。

背景から原画まで全てを手書きで行う。

この作品はある種の実験作品だったのかもしれません。ピクサー映画の対極としてあるのがこの「崖の上のポニョ」だったりするのかもしれません。

この作品で一つ良かったなという点があるとすれば、料理がめちゃめちゃ美味しそうに映っていた点です。ここは宮崎監督の力量の凄さを感じさせます。チキンラーメン的な即席ラーメンにポニョの大好物であるハムが乗っているというもの。これがまた美味そうなんですよ!

この作品の良さはその手書き風の絵にあると思います。家が直線ではなく手書きの丸みのある感じになっているとか、ストーリーそのもののではなく、外観を楽しむ作品だと思います。映像としては90点の完成度です。さすが、日本が誇るスタジオジブリです。

後日、ご覧頂く方へ。ラスト3分であれ?って言っちゃいます。(要注意)