敬語力の基本
敬語力の基本
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梶原 しげる
日本実業出版社
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ちゃんとした敬語を使いたい。これは会社に勤めている方には限らず全ての人に共通する悩みなのではないでしょうか?自分がちゃんとした敬語を使っているか不安だ。「相手に言葉が伝わっているか心配だ」。そういう方も多いと思います。今回は、そんな敬語力の基本を紹介してみょうと思います。

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●敬語力の基本 肝心なところは、だれも教えてくれない72のテクニック

敬語の基本。丁重語と謙譲語と尊敬語の違いって?
敬語には大きく分けると3つのものがあります。丁重語と謙譲語、そして尊敬語です。ちょっと聞きなれない言葉ですが、簡単に言えば敬語の一種です。丁重語とは、目の前の人にていねいさを表すもの。謙譲語は、自分側の行為を下げて相手方を高めるもの。と、覚えておけば良いと思います。

「くだけた表現」を「あらたまった表現」に言い換える
同じ言葉でもくだけた言い方と、ちゃんとした言い方があります。言葉を少し変えるだけで劇的に上品に見せる事が可能です。仕事に関わる会話には、まずワイシャツとネクタイを着た言葉で話すのが基本です。相手先と仲良くなる事でカジュアルな表現も許容されていきます。
ふつうの表現 あらたまり表現
わたし、ぼく    わたくし
わたしたち     わたくしども
相手の会社    御社
自分の会社    当社、弊社、小社
誰          どなた
どこ         どちら
こっち        こちら
そっち       そちら
あっち       あちら
さっき       さきほど
あとで       のちほど
今日        本日
明日        明日(みょうにち)
きのう       昨日(さくじつ)
この前       先日、先ごろ
だんだん     しだいに
すごく       たいへん
少し、ちょっと  少々
男         男性
女         女性
老人、年寄り  お年を召した方
なので      だから
伝言       お言づけ
一緒に行く   お供する
忙しい      手がふさがっている
ミス        不手際
わからない   勉強不足
忘れた      失念した
知らせる     お耳に入れる
〜できません  〜しかねます
お願いするときのクッション言葉
難しい敬語を使わなくても間にクッション言葉を入れることで相手に不快感を与えることなく、依頼やお願い、質問などができるようになります。
ふつうの表現  クッション言葉
忙しそうだけど →  お忙しいところ
ひまだったら  →  もし、時間があるようでしたら
ちょっとでいいんだけど → 数分だけよろしいでしょうか?
時間ができたら → お手すきのときにでも
いま聞いてもいい? → いま、よろしいでしょうか?
悪いんだけど → たいへん恐縮ですが
急ぎなんだけど → 急ぎの用なのですが
意見聞かせてほしいんだけど → ご相談させていただきたいのですが
こっちの都合なんだけど → こちらの都合で恐れいりますが
こちらの勝手なんだけど → まことに勝手ながら
手がかかるんだけど → お手数かけますが
ちょっとめんどくさいだろうけど → 少々、面倒をおかけしますが
断るときのクッション言葉
ふつうの表現  クッション言葉
残念だけど → なんとも残念なことに
ちょうど別の予定と重なっちゃってて → あいにく、別の予定が入ってまして
私の思い通りではないんだけど → まことに不本意ながら
希望どおりにできなくて → ご希望にそえず
また誘ってね → また今度お声がけください
目上に意見を伝えるときのクッション言葉
ふつうの表現  クッション言葉
失礼だったらごめんね → 失礼な物言いで恐縮ですが
怒らないで聞いてね → お気を悪くなさらないでほしいのですが
えらい人に言える立場ではないんだけど → 私のようなものが
素朴な疑問・質問だけど → 素人のたんなる感想ですが
よくわからないんだけど → 不勉強で申し訳ありませんが
知っているだろうけど → ご存知かと思いますが
専門家に言うまみなぁ → 釈迦に説法かもしれませんが
余計なことだけど → 差し出がましいようですが
尊敬語を使って好感度をアップする
尊敬語は社会人にとって切っても切れない関係にあります。「おっしゃる」「ごもっとも」など、実際思っているかは別として、誰もが一度や二度、いゃ三度以上使った経験があると思います。上司や目上の人に対する尊敬の意味を込めて発言する。これが「尊敬語」の本質です。尊敬語を作る場合、以下の2つのポイントに的をしぼって考えると参考になります。

1)「お」「ご」

例 先生はいま、講義中?(非尊敬) → 先生はいま、ご講義中?(尊敬語)

2)一般型尊敬語 お (ご) 〜 に当てはめる
尊敬語  使い方の例
お (ご) 〜になる → お目覚めになる
お (ご) 〜なさる → ドキドキなさる
お (ご) 〜だ → お調べだ
〜て (で) いらっしゃる → 細くていらっしゃる
お (ご) 〜くださる → お知らせくださる
れる、られる、される → 読まれる
「ご〜できません」「お〜できません」はダメ
間違った表現  正しい表現
ご搭乗できません → ご搭乗になれません
ご契約できません → ご契約になれません
ご入会できません → ご入会になれません
ご利用できません→ ご利用になれません
お楽しみできません → お楽しみになれません
お着替えできません → お着替えになりません
お使いできません → お使いになれません
謙譲表現には3つのパターンがある
尊敬語には、相手先の行為やものごと、状態についてその人を立てて高める役割がありました。対して、謙譲語は、自分の行為・ものごとについて低めて、相手先を高め持ち上げる方法です。

1)接頭語、接尾語をつける

接頭語の「お」「ご」を付けるだけで、謙譲語に変わります。

2)お (ご) 〜するなどの一般型


謙譲語も、敬語と同じく、一定の言葉を付け足すパターンがあります。

例 届ける → お届けする 迎える → お迎えする

3)言葉ごとまったく違うものに変える「特定型」


例 見る → 拝見する あげる → 差し上げる

特定型謙譲語
普通語  謙譲語
する → いたす
いる → おる
知る → 存じる、存じ上げる
言う → 申す、申し上げる
聞く → 伺う、お聞きする
やる、与える → 差し上げる
たずねる → 伺う、おたずねする
行く → 参る、伺う
来る → 参上する、伺う、上がる
食べる、飲む → 頂戴する、いただく
見る → 拝見する
見せる → ご覧に入れる、お目にかける
もらう → たまわる、頂戴する、拝受する
以上が敬語力の基本です。基本的な知識ですが、知っていれば必ず役に立つ知識ばかりです。参考にしてみてください。