世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち
副島 隆彦
日本文芸社
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ロックフェラー家やロスチャイルド家など裏で世界を牛耳っているであろう人物を世界の権力者として写真付きで紹介されている。全編カラーページ。1500円は正直に言うと高いと感じた。確かに、陰謀論の類に興味のある人は多いでしょう。それがこの本がヒットした最大の要因なのかもしれない。しかし、写真を見せられて「こいつが悪の権化だ」と言われても正直困る。この本は図書館で借りてパラパラと見る事をオススメします。

基本的な構成としては1ページに写真とその人の経歴が書かれている。文章量としては少ない。その人が世界の中でどの立場にいるのか。この本では陰謀論者ではお馴染みとなったロックフェラーやロスチャイルドといった世界を牛耳っているであろう権力者の姿が写しだされている。例えば、ロックフェラーの総帥であるデイヴィッドロックフェラー(95歳)の経歴が紹介されている。欧州を牛耳るのがロスチャイルド。米国を牛耳るのがロックフェラーといった構図だ。僕はこの本を手に取った理由は、そういった世界を影で操る人の歴史や正体を知りたかったからだ。しかし、写真を見せられて(ねっ、ほらこの人たちが世界の悪者なんだよ)と言われてもピンとこない。世間的にはロックフェラーと言えば慈善団体というイメージの方が強いのかもしれない。最近では、この手の本も増えてきたので知っている人も多いかもしれない。陰謀論マニアにはたまらない1冊である事は間違いない。しかし一般読者にとってはややハードルが高い本なのかもしれない。ブッシュが石油利権のためにイラク戦争を開始した。それを裏で操るのが本書で紹介されている権力者たちだ。

日本を牛耳るためのアメリカ(ロックフェラーやロスチャイルド)の戦略が記されている。本書のテーマは事実ではなく人だ。その人の功績が重視されているように思えた。ロシアを牽引するプーチン首相。中国共産党のトップでる胡錦濤国家主席。インドを引っ張るシン首相。そして、ドルやユーロを影で操る人物たち。世界経済を動かす著名投資家ジョージソロス。メディアを牛耳るルパード・マードック。など早々たる面々だ。テレビでニュースを見ていたら一度は見た事のある人物が多い。それ故に、裏での行動は衝撃的な事実かもしれない。

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10歩など譲ってこの本が参考になるとしょう。
しかし、あとがきには納得いかなかった。あとがきにはこう書かれている。
この本を出したあと、私に何がおこってもいい。その覚悟をしている。私の遺言書のような良い出来の本である。日本国民への私からのおくりものだ。
公式に公開されている(隠し撮りじゃない)写真を使って数行の紹介を入れる。この何処に命の危険があるのだろうか?そんな事を言うならベンジャミンフルフォードなんて10回くらい殺されていてもおかしくないはずだ。これだけ陰謀論に関する知識があるのなら、現代社会と権力者の関係について書かれた新書を発表するべきだったと思う。ただ、陰謀論マニアには超オススメです。写真付きで本物のロックフェラーのトップやロスチャイルドのトップが見られるのだから。ただ、1500円は高いと思った。カラーでなく白黒でもっと紹介する人数を増やせば楽しめたと思う。世界の権力者に日本人が1人も入っていないのが残念でならない。

とりあえず、陰謀論者は買うべし!
一般読者は立ち読みすべし!