・なぜ、ルパンは盗まなくなったのか?〜ルパン三世から見える「日本病」の正体〜 - とある青二才の斜方前進ルパンに関する記事がはてブで話題になっていた。これは、もしかするとドラえもんにも当てはまる問題なのかもしれない。
今日は、そんなエントリーを皆様にお届けします。
最近のドラえもん。分かりやすく説明すれば大山のぶ代さん卒業→水田わさびさんへのバトンタッチ後に起きている現象です。旧ドラえもん世代にとっては15分の2話で30分というのが当たり前でしたね。各話毎に新しい道具が登場して子どもたちやファンを楽しませていました。新しいドラえもんは原作コミックスに忠実。そんな事を言われているが、最近では30分丸まる長編の編成を組む事が多々ある。ドラえもんの最大の見せ場である道具も出ないまま、のび太たちが右往左往して終わるというパターンも増えてきた。「ドラえもんは道具のナンセンスさを楽しむギャグ漫画なんだ」…これは生前、F先生がインタビューで語っていた事です。
まぁアニメ版は原作をリメイクしたものが多いので「許容範囲内」ではありますが、とくに映画版の評価は年々下がってきています。「ドラえもん のび太の恐竜2006」。そして、ドラえもん映画史上最大の興行成績を叩き出した「ドラえもん 新のび太の魔界大冒険」。最近では、「ドラえもん 新のび太と鉄人兵団」などリメイクにおいてはそれなりの結果や作品を生み出していますが、オリジナル作品においての「評判」と散々なものがあります。
- リメイクは上手いがオリジナルはダメ。
- ドラえもん初期世代が作るドラえもん
- ドラえもんを観てドラえもんを作る
「のび太の人魚大海戦」で言うと所の、とりあえず原作のアイテム「架空水面シミュレーター・ポンプ」を出して、異世界飛ばして、強い敵と戦えば良いんでしょ!はいはい。的なお粗末なストーリー展開がゆるせい。
ここで厄介なのが、ある種の方程式が生まれているという点だ。
簡単に説明すれば、文章で言う所の「起承転結」だろう。
ルパンで言う所の「起承転結」は以下のようになる。
1.ルパンが次元に大秘宝の存在を明かす。ドラえもんで言う所の「起承転結」はこうだ。
2.それを嗅ぎつけた銭型警部登場
3.お宝に関する情報を手に入れるが謎の組織に捕まる
4.何だかんだの末、お宝を手に入れるルパンであるが、諸事情でお宝を手放してしまう。
1.のび太がスネ夫に何かを自慢される。この方程式の呪縛から離れられない。1つ変えるだけでも心臓に毛が生えるくらいの勇気がいる。例えるなら、将棋に新しい駒を1つ追加するようなものだ。羽生さん大混乱だよ本当に…。
2.ドラえもんが秘密道具を出すが、誤作動か何かで異空間に飛ばされる。
3.ジャイアンやスネ夫の助けを借り、地球への帰還を目指す。
4.無事、地球へと生還。しずかちゃんの名台詞「宿題しなくちゃ」で終わり。
- 日本のコンテンツ界に蔓延る「好き」という老害
ドラえもんやルパンが何故、劣化の一途を辿っているのか?
つまり、「好きな作品」をお手本に作っているからだ。ある意味、テレビ世代であり漫画世代。かっこよく言えば「テレマン」だ。(ヤリマンとは無関係。)宮崎駿作品、例えば「カリオストロの城」をお手本にしたら、完成する作品は劣化版「宮崎駿」でしかない。これはアニメ監督や脚本家には滑稽だ。ルパンやドラえもんといった日本を代表する作品に新しい命を吹き込む勇気。ピカソの絵に新しい色を塗る勇気。だから、今の作品はどこかで観たように当り障りのない作品になっている。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ大人帝国の野望」でしんちゃん映画に新しい息吹を盛り込んだ原恵一はその呪縛から離れた1人かもしれない。
今の若いクリエイターたちは戦争を教科書でしか知らない世代だ。喧嘩だってしたことないかもしれない。戦いはバーチャファイターで学んだ。そんな事を真面目に言いそうな気がする。宮崎駿が養老孟司との著書「虫眼とアニ眼」の中で、最近のアニメーターはカッターで鉛筆さえ削れない。展開図すら作れないとなげていた事を思い出す。
- 日本のコンテンツ復興に必要なバカが必要
逆に、今必要なのはアニメも漫画も一切見た事がない人材だ。
そんな人材にドラえもんやルパンの脚本を担当させてみる。そんな科学変化おもしろくない?
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