ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足
深田 浩嗣
ソフトバンククリエイティブ
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今、ソーシャルゲームが熱い。テレビを見ていると頻繁に「GREE」や「モハゲー」のCMが流れてくる。会員数が数千万人。大人気ゲームは1000万人近いプレイヤーがいるのだから、その規模は計り知れない。今までゲームと言えば専用の機器を購入するのが当たり前であり必然であった。しかし、ソーシャルゲームはお手元の携帯一つでいつでも始められる。この手軽さが爆発的な成長を巻き起こしているのかもしれない。家庭用ゲームの時代は終わった…某ソーシャルゲーム会社社員の言葉だが、ニンテンドー3DSやPSVitaなどは苦戦を強いられている。さて、ソーシャルゲームと並んで今、ネット界を駆け巡っている言葉かある。それは、「ゲーミフィケーション」だ。簡単に説明すれば、「ゲームで世界を良くしていこうぜ!」といったもので、ゲームのメカニズムを実際の会社に応用していこう…というものだ。

本書で語られている事は、大まかに言うと2つだ。

GREEの「釣り★スタ」やモハゲーの「怪盗ロワイアル」などになぜはまるのか?
▲押璽潺侫ケーションは世界を変えるのか?

,亡悗靴討詫用者は薄々気づいている事かもしれない。なぜ、無料のゲームに課金してしまうのか。何故、ユーザー同士で競い合うのか?釣り★スタで言うところのグループによる大会だったり、怪盗ロワイアルでいう罠だったりする。この本を読んで一番驚いたことは似たもの同士と思われていた「GREE」や「モハゲー」のビジネスに対する考え方に違いがある事だ。GREEはユーザー同士の交流による課金を収入源にしている。本書で言う所の、メンバーへのギフトだったり大会に勝つために買う竿だったりする。対して、モハゲーはゲームにおいて「個」というものを重要視しているように思えた。グループを組んでも基本的には1人で戦う。相手とは1対1で戦うのが基本系。元々がSNS由来であるGREEの方が攻略掲示板であったりメンバー同士の交流に力を入れている。簡単に言えば「巧み」な戦略だと思った。

全298ページ。ちょびちょび読みながら1週間近くかかって読了。正直に感想を言えば「長い!」のです。確かに、興味深い点は多々あった。「ソーシャルゲームすげぇ!」って思いました。ただ、これはゲームを1度でもプレイした方なら当然の事であってあえて文章にする必要があったのか悩ましいところがある。(想定読者が初心者であるなら納得)。そして、もう一つ気になった点が、本という媒体で出版したことだ。出版されたのが2011年の9月。そして、僕がこの本を手にしたが2012年の2月。この半年という間にソーシャルゲームは大きく様変わりした。はっきり言えば、「釣り★スタ」も「怪盗ロワイアル」も古いのだ。今で言うなら、GREEの「探検ドリランド」や「ドラゴンコレクション」。モハゲーで言えば「ワンピース グランドコレクション」や「ファイナルファンタジーブリゲイド」。収益も今までのアイテム課金からカードをゲットするためのガチャ方式へと様変わりしている。たった半年の間でゲーム界は一気に新しくなった。たぶん、今、学生なら友達に「怪盗ロワイアルを始めたんだ!」といったら苦笑いされるだろう。「いゃ今はドリランドだろう!」と…。

△亡悗靴討蓮△い気気難しい問題だろう。ゲーミフィケーションが変える顧客満足。という副題にもあるように、新しい時代の到来を予感させる。NIKI+の例や航空会社のマイレージサービス。海外ではイギリス議会の交際費をゲーム形式で調査しょうという試みのもと、20人近い議員が辞職をよぎなくされた。本書には載っていないが、病気に関する遺伝子の組み合わせを調べようといった試みも面白い。噂によれば、数年以内に70%の会社が何かしらのゲーム要素を盛り込んでくると予想されるらしい。しかし、一つ言いたい事があるとすれば、ゲーム要素を盛り込んだからとって100%それが顧客満足度に比例するのか?という疑問だろう。ゲームに依存しない選択。貪欲にゲーム要素を盛り込んでいく方向。どちらが正解のか?本書では明確な答えは出ていない。

日本での例も少数的だ。「節電.go.jp」という電気料金を可視化して15%削減しょうとする試みが本書の中では紹介されている。興味深い試みだ。ただ、ゲームとして比較した場合、ポケモンやファイナルファンタジーなど日本を代表するゲームと比較すると、お菓子のおまけ程度でしかない。まだ発展途上。そういう事なのかもしれない。

ただ、未来は明るいと思った。色々な試みが行われ、試行錯誤した上に成功があるかもしれない。そういう点では興味深い本たと思いました。機会があったらご覧になってみたください。

■ひと言書評

10年後、GREEやモバゲーがあるか分からないよね?