お風呂の達人  バスクリン社員が教える究極の入浴術
石川泰弘
草思社
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お風呂で疲れを癒しますか?それとも、シャワーで済ませてしまいますか?「疲れを癒すのは分かっているけど、なかなか湯船にお湯を張るのが面倒で…」なんて言う声も聞こえてくる。本書はそんな入浴に関する極意をバスクリンの社員の方が紹介する。入浴のプロが教える入浴の極意。本書のタイトルにもあるように、究極の入浴術だ。お風呂のイメージというと体の汚れを落とすというイメージが強いが、体をリフレッシュさせたり、時にはダイエット効果がある。女性の方は共感してくれる部分も多いだろう。半身浴で汗をかいたり、顔にパックを貼ったり、時にはスネ毛を…おっと言い過ぎか。(笑)

例えば、朝眠くて辛い時には43度のシャワーに当たるといいそうだ。デスクワークで疲れた体を癒すのもお風呂の大事な効果の一つ。長時間のパソコン作業などで疲れた目を癒すには、お風呂に入っている時にお風呂のお湯にタオルを浸して目に当てると良いそうだ。なければ、温まった手を目に当てるだけで効果がある。「めぐリズム」という商品と同じ効果が得られる。他にも、食事後に食事をたべる事は体に負担をかける。入浴後の食事をすると、血液が消化器官に戻る前なので、食欲を抑える効果があるそうです。以外な事に、入浴はダイエットに効果的と言われていますね。女性の方は半身浴でたっぷりと汗をかく事を良しとしていますが、実際は体の水分量が減っただけで、入浴後に水分を摂取すれば元に戻ってしまうそうです。

一番湯がピリピリする理由は、水道水に含まれている塩素の効果だという事が説明されています。きき湯やバスクリンの中には塩素を除去する効果が含まれているそうです。

お風呂の残り湯を洗濯に使う主婦の方は多いと思います。はたして、残り湯を洗濯に使う事は正解なのでしようか?バスクリンの解答によければ残り湯を洗濯に使っても、入浴剤の色素が洋服に付く事はないそうです。

僕自身、お風呂というのは体の汚れを落とす場所。大衆浴場的なイメージを持っていましたが、もっとハイセンスで効果的なものだと知りました。エヴァンゲリオンでミサトさんが言った「お風呂は命の洗濯よ♪」という台詞を思い出します。確かに、そうですね。

今までシャワー派だった人も、この本を読めば「お風呂に入ってみょうかなー」と思うでしょう。読み物としては興味深い点が沢山ありました。この本に51点という点数を付けた理由は、簡単に言えば「バスクリン以上、バスクリン未満」という事でしょう。基本的に話がバスクリンと同社が発売する「きき湯」で展開されます。一般的に言ってバスクリンを入浴剤を利用している人は全体の半分もいないでしょう。構成にも問題があると思いました。1ページに大体1個のテクニックが紹介されているのですが、その文量がイマイチなのです。良いこと書いてあるのに「うーん、なんでそこで終わっちやうの!」と、ページの都合で簡単な要約程度に収まってしまっているのが残念です。最近流行のバスボールとか、その辺の情報に触れてほしかったです。それを差し引けば、お風呂に関心の薄い人にとってはいい起爆剤となると思います。シャワー派から体のケア重視にシフトする良いきっかけとなります。

その点では、お風呂に関する考え方が変わった人にとっては、この本は100点満点です。お風呂いぇい!入浴いぇい!

■ひと言書評

バスクリンを売ったツムラめ、ざまぁみろ…。