iPhone 4

これは前々から疑問に思っていた事ですが、はてブで以下のような記事を読んでさらに強くそう思った次第であります。
音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話 | たにみやんアーカイブ
この記事ではCDの売り上げや音楽配信の売り上げをデータを元に客観的に解説してある記事です。簡単に説明すれば、音楽CDもしくはアルバムの売り上げは全体的にみて年々減っている、それに対してライブDVDなどの売り上げは上昇傾向にある。これからの時代はライブなのてはないか?という結論で〆られています。記事には概ね同意です。

でも素朴な思いとして、パッと思いついたのが「ウソだろ!だって…」という思いでした。だって…の部分に入るのは「iPhone」の事です。国内販売台数はAppleとの契約の関係か「ソフトバンク」と「au」ともに公表はしていませんが、スマホの普及台数はiOSのシェアを見ればおおよその数字は把握する事ができます。以下の記事を元に台数を出してみたいと思います。

携帯電話
携帯電話とPHSの加入契約数は前年同期比7.7%増の約1億3276万台となった。人口比の普及率は前年度末よりも7.4ポイント高い103.7%。昨年12月末時点で100%を超えていたが、その後も普及率は伸び続けている。
携帯電話普及率、初の100%突破 スマホ急拡大、新時代突入へ - SankeiBiz(サンケイビズ)
スマートフォン(多機能携帯電話)の2011年末の世帯普及率が29.3%と、前年末(9.7%)の約3倍に急増したことが、総務省の通信利用動向調査で30日、分かった。スマホの急速な普及があらためて裏付けられた
日経新聞
携帯電話2
2011年3月末のスマートフォンOS別契約数シェアはiOS 49.6%、Android 40.4%となっていたが、2011年12月末時点でのシェアはAndroid 58.1%、iOS 37.2%とAndroidが逆転している(図3)。

スマートフォン市場規模の推移・予測(12年3月) - 株式会社 MM総研
これを元に計算すると、日本国内には約1,400万台のiPhoneがある計算になります。iPhone3Gからのファンとか、iPhone4から4Sへの買い替えも含むと思いまので、若干の相違はあると思いますが、参考にはなる数字です。

CD

つまり、「iPhone」が国内に約1,400万台あるという事は、単純に音楽プレイヤーが1,400万台あるという事です。この破壊力たるや。例えば、1人が年間、365日ですよ!?仮にシングル1枚1,200円だして、1枚CDを買うだけで、168億円の売り上げアップするわけです。これはCDの出荷売り上げの約50%を占めるわけで、普通に考えれば空前のCDバブルが起こっても不思議ではない。元記事では2011年の売り上げ増の主要因を前年のミリオン1作「Biginner」から、2011年はミリオン5作。AKB48の「桜の木になろう」「Everyday、カチューシャ」「フライングゲット」「風は吹いている」「上からマリコ」が売り上げを押し上げていると、書かれています。500万枚のセールスは金額的に言うと約60億円なので、AKBのミリオンヒットがなければ、2011年度のCD売り上げ高は約370億円と前年度横ばいでした。つまり、「iPhone」が普及したからといって爆発的にCDが売れているとは言えない状況が続いているわけです。アルバムも同じ傾向が続いています。シングルに比べると、もっと如実に結果が反映されています。

cd2


シングルはネット配信で買うけど、アルバムはお店で買うよね。というのが僕の社会的認識だったのですが、どうも世間的には違うらしい。2010年から2011年の間に約200億円も市場が低迷している。2011年のアルバム売り上げは1位が嵐の「Beautiful World」で、2位がAKB48の「ここにいたこと」で、80万枚と年間でミリオンヒットを出すアルバムが1枚も無かった年です。

皆、ネットからダウンロードしている。もうCDショップでCDを買うのは古いよ!と、ブルジョア階層には言われるかもしれないが、どうやらそれも正解ではないらしい。

cd3

確かに、インターネット経由でも音楽配信はここ数年で爆発的な勢いで普及してる。しかし、老若男女が利用しているのか?と聞かれれば答えはNoかもしれない。複数の音楽配信サイトを含めた数字なので、全てが「iTunes Store」の売り上げでないしろ、業界で圧倒的なシェアを握るのはAppleなので、ここは全てiTunesからダウンロードされたと仮定して話しを進めます。6,000万回の数字を「iPhone」の普及台数1,400万台で割ると、1人あたりの年間ダウンロード数はたった4.3回という結果になる。これは逆の意味で驚いた。やはり、クレジットカード決済(一応、プリペイドカードも対応してますが)に、日本人は抵抗があるのかもしれません。

じゃあレンタルはどうなんだよ!
と思う方もいるかもしれません。

御もっともです。これは、貸しレコード使用料というデータを見ると分かり易いです。

cd4

ツタヤやGEOとったレンタル店のデータはあまり公表されていないのですが、GEOの決算の推移を見ればおおよその売り上げ高の推移は把握する事ができます。ツタヤを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブは経営陣のTOBによって非上場の会社になってしまったので、決算の内訳がわかりません。
2009年度  106億円
2010年度 111億円
2011年度 110億円
http://minkabu.jp/stock/2681/independent
売り上げ高は2011年度に下がっていますね。営業利益は2009年度の60億円から2011年度の80億円と増えていますが、これはGEOが始めた旧作レンタル100円の影響かと思われます。この増加分の一部はCDである事は間違いないですが、影響としては微増だと思われます。個人的には新譜を買わないにしろ、新作をレンタルしないにしろ、多くのiPhoneユーザーが何かしらの媒体を経由して「自分専用のライブラリ」を楽しんでいるのかと思っていましたが、それは違うようです。ここまでの結果を見て、今までの結論を一通り整理してみましょう。

・iPhoneは国内に約1,400万台普及している。
・CDシングルの売り上げ高は減少傾向
・iPhoneユーザーが年間に1枚CDを買うだけで約160億円の波及効果がある。
・アルバムの売り上げ高減少は激しい。
・インターネットダウンロードは爆発的に普及しているが、普及台数で計算すると1人あたり約4回に留まる。
・貸しレコードの権利収入は横ばい。


僕なりに言える事はデータを見る限りでは、

「iPhone」で音楽を聴いている人は思ったより少ない…という事です。


勿論、聴いているという人がいるのは事実です。しかし、昔のように一般人がCDを買って外出先で聴くという文化そのもののが壊れているのかもしれませんね。それに加えて旧来のタイアップ効果が薄くなったという事も大きいのかもしれません。昔は、ドラマとタイアップすればCDが売れた時代でした。小室哲哉ブームとか1998年辺りでしょうか?最近では、それが通用しなくなりました。それを象徴するのが、瞬間最高視聴率40%を記録した「家政婦のミタ」の主題歌となっていた、斉藤和義さんの「やさしくなりたい」です。今までの常識から考えればミリオンヒット、いゃダブルミリオンを記録して不思議ではなかった。でも実際の売り上げ枚数が約10万枚という事考えると、いかに一般人がCDを買わなくなったか分かります。売れているのは複数バージョンを同時発売をするAKB系のグループとジャニーズ系。ミスチルやB'z といった、固定ファンを多く持つアーティストに限られているのかもしれません。

業界的にはCDが売れない!となげているけど、実は、音楽を聴かないというのも一つの可能性だったりする。

僕なんて、iPhoneで音楽聴かないならアンドロイドの方が選択肢も多いし良いと思うのですが、これって本当に真実なのでしょうか?そもそも発売当時は音楽が聴ける携帯電話というフレーズで普及した気もしますが…。皆、デザインとTwitterをやりたいからiPhoneを選んでいるのかな?もし、iPhoneを持っていて、音楽機能を使ってない!という方がいれば、はてブへご一報くださいませ。

追記:

AKIMOTO氏から教えてもらった記事で確認しましたが、音楽プロデューサーの方の話によると「iTunes Store」の日本でのシェアは約7%弱らしいです。これは公式に発表されたものではないので何んとも言えませんが、そう考えると一部のヘビーユーザーを除いて殆どの方が利用していない計算になります。

ブクコメで、ダメな卒論レベルという指摘がありましたが、こればっかりは陳腐な文章で申し訳ないです。今の自分の能力で書くしかないので、出来上がったものが粗悪だという指摘は真摯に受け止めます。