中国の賃金が上昇しているという話しをニュースを通して耳にします。日本の製造業は次々に海外(主に中国)に移転しています。シャープに出資して話題となった「鴻海精密工業」の例が代表的ですが、中国の低賃金で大量生産することで価格を低下させる、iPhone5の組み立てコストは1台あたりの製造コストが167ドルに対して、組み立てコストは8ドルだそうです。

一時期、ニュースになりましたが中国のiPhone組み立て工場での暴動は記憶に新しいと思います。アップルが利益を上げれば上げれるほど、製造側にしわ寄せがやってくる。ある意味で仕組みとしては超一流だと思います。しかし、中国でこのまま低コストで製造できるのか?というと、先行きが明るいとはいえません。「12年に入ってから中国政府は最低賃金を平均10%以上、内陸部では20%以上も引き上げた。」という話しがあるように、中国での賃金は上昇傾向にあります。先日、「報道ステーション」に出演したユニクロの柳井社長が司会の古館さんから(中国は賃金が上がって大変じゃないですか?)という質問されて、ユニクロは生産拠点を中国からバングラディッシュやインドネシアなど、より低賃金の国へシフトさせていくと語っていました。

ここで一つ疑問に思うのが、いつまでこの連鎖が続くのか?という事です。

そもそも、日本で生産した製品がバカ高くなってしまうので、海外で生産させて日本に運ぶという事自体に矛盾があります。最近では、故障した機器(例えば、MacやDS)などは修理するのではなく、新品と取り替えるケースが増えているそうです。国内の高賃金で修理するよりも低賃金で作られた製品を輸入する方が割安という事でしょう。

例えば、中国がダメになってバングラディッシュに行く。
やはり外資からの投資が増えれば増えるほど国は発展します。という事は、自然と賃金が上昇傾向にあるという事です。誰だって、何年も同じ仕事をして明日の飯が食えるか分からない、という状況では不満がでます。

これは何年先にという事ではありませんが、何十年か先には限界が見えてくると思うんです。日本やアメリカの国民は商品の値上げを受け入れざるおえない。これは話が違いますが、日本を代表するアニメ「ワンピース」はフィリピンで製作されているそうです。日本のお家芸であるアニメでさえ海外シフトしている現実があります。

では、日本の魅力って何なの?って考えるところですが、魅力はあるけど賃金がバカ高いというのが共通認識でしょう。ただこれは政策次第で、月10万円の月収でも快適に暮らせるシステムがあれば良いと思います。あえて、生活水準を下げるというのも一つの案です。

・賃金が上がった最後の最後。

世界的に賃金上昇の連鎖が起こった結果、どうなるのか?と言えば、その中でも安い国で生産を続けるのか。日本国内で製造をするかの選択肢があります。例えば、先ほども言ったように「生活水準を下げる」という事で国内労働者の低賃金化をはかる事も考えれます。発泡酒の税率を0%にするとか。

日本は賃金が高いですが、将来的には、ほぼ全ての作業が機械に置き換わる可能性はあります。今だって自動車の溶接の殆どは機械で行われていますし、塗装も機械です。結果的に、生産が機械化された場合、重要なポイントは人件費ではなく、いかに税金の安い地域で生産するかにシフトすると思います。カントリーリスクもそこに含まれます。その点では日本の政府や地方の判断によっては勝ち目があると思います。

今のような低賃金国家を渡り歩く今の製造業はいつか限界が来ると思います。最後の最後に日本の製造業がまた開花するのか。オートメーション化が進めば、もう商品がどこ製か?なんて関係ない。どこの国のメーカーでも品質が良ければ買う。結果的に、日本がすばらしい商品を開発できて、それがオートメーションで生産できるのなら、製造業復活の可能性はあります。それができないのなら、工場を全て海外の低税率、低賃金の国に移動して国内の製造に見切りを付ける。その時点で日本企業と呼べるのかは分かりませんが…。

ただ、現実として、日本製造業の復活するには、多くの労働者を解雇する事が不可避なのではないかとも思います。