著名な書評家として知られる「小飼弾さん」の新刊です。弾さんと言えば、日本で最も書籍を販売するブロガーといっても大げさではないと思います。書籍関係では弾さんの「空気を読むな、本を読め」といった代表作がありますが、本作は、そんな弾さんが今までの読書生活の中で感じた「本への思い」を綴っています。本書のテーマはずばり！「本を読む人」に焦点を当てた本です。小手先の読書術ではなく、本を読む事の本質に迫る1冊だと思います。本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする�狷票��瓩竜蚕�posted with amazlet at 13.02.24小飼 弾
朝日新聞出版 (2013-02-20)
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本とは他人の考えを読むものだと思っている人が大半でしょう。でも実は読書で何が読めるのかといえば、自分自身なのです。読書という行為は、自分が何をわかりたいと思っているのかを知る過程の一つです。自分が何を知っていて、何を知らなかったのか。これから何を知りたいと思っているのか。読書という行為に照らしてみると、それが見えてくる。弾さん自身の人生が本と共にあった。学校に嫌気がさし、親公認で不登校になった。親に暴力を振るわれて、唯一の居場所が図書館だった。そこでは百科事典からあらゆる本を読破していったそうです。1度にダンボール1箱分の本を図書館から借りていった事もあるそうだ。人生を救ってくれたのは本だと断言する。本を読む事の効用。よく読書術の本に「本は投資。必ずリターンを生む。」と書かれている。本書の弾さんも言っている事は同意で、20代のうちに貯金するお金があったら本を買え。大人社会では知恵の量が成功を左右する、と。本書の中盤では本の選び方から書店のめぐり方を紹介する。「ロールモデルは3年まで」「ベストセラーよりもロングセラー」「良い書店員の見分け方」「アマゾンの評価信用するな」まで多岐に渡る。
(中略)
本を開いて、何をいっているのかわからないというとき、自分はどういう状態なのかというと、「自分が何をわかっていないかということすら、わかっていない」ということ。読書という行為に現世界の利益を求めるのは浅ましいことですが、本当に優れた読者はどんな取るに足らない本からでも何かを得ます。
だから本当は読書することで損をするということは、万に一つもありえない。読書とは、必ず結果がプラスになる行為だといえます。
本書ので一番衝撃的だったのがこの言葉です。
僕よりも本の売り上げを上げるような書評を書ける自信があったら書けといいたい。年間で1000万円稼ぐという立場。何か高みから見下ろされているような感覚です。その上で書評ブログを運営する事に関する心構えを紹介している。
アフィリエイトなどで稼ぐのが問的なら、たぶんやっても儲かりません。同じ本について書いたのであれば著名ブロガーの書いたブログのほうが、検索したときに上位に表示されることです。勿論、今から始めたからといって成功の可能性が0％なのかと言われれば答えはノーでしょう。ただ、ブログの特性上、数年間は更新し続けないと成果が出ません。お金目的では長期間続けられないだろうという思いがあるのかもしれません。「できれば僕のこの本の読者に、自分で自分を正しい方向に導いていける力をもってもらいたいと思って、この本を書いてきました。」自己啓発本やビジネス書を読みふけって、人生をプラスに転化する事も一理あります。ただ、本を自分の人生の糧として、自分と向き合うための道具として、読書は有益なものだと思います。1,000,000ページ読んだからこそ言える事。その重さはすごいです。
「自分の脳みそを耕される人。耕す力を持っている人のことを教養のある人です。鋤鍬があれば、楽に耕せます」。
さぁ読書をしょう。さぁ本と向き合おう。
