2009年出版なので大分古いです。本書は様々な本の中で語られている事のホリエモン自身の基礎となる部分を綴っているという点で興味深いです。「新・資本論」という大それたタイトルが付いていますが、もの凄く難しい内容ではなく、ホリエモンが世の中について「お金」をテーマに色々と語るといった内容です。

●信用があれば、お金は借りられる。

これはホリエモン自身が「夢を叶える打ち出の小槌」でも綴っている事ですが、お金というのはあくまで「信用」という事です。例えば、病気になった時の不安を解消するために保険に入る。でも本当に自分が正しい人生を歩んで来たのであれば、困った時は誰かが貸してくれる。貸してくれなければ、それは今までの行いに問題があったのだと言います。

●住宅ローンは虚構か?

ホリエモンは賃貸派だそうですが、35年の住宅ローンを組む事に対して否定的な見方をします。家自体が35年経った後ではボロボロですし、バリアフリーの事を考えればリフォームの必要がある。今の法律では貸し主よりも借り手の方が強いので、1ヶ月や2ヶ月滞納したところで追い出される事はない。自分で借りられる限界は分かるよね?というのがホリエモンの主張です。

●信用、投資、コミニュケーション

信用、投資、コミニュケーションこの3つの上昇する循環系をどのように作り替えるか?信用さえあればお金は借りられるのです。

●信用はいざと言う時に換金できる。

お金はいざと言う時に換金できる。これは驚きの言葉でした。自分に信用が無い、その裏返しが日本人の多くがしている「貯金」というものの正体だとホリエモンは言います。信用というのは無形固定資産みたいなもので、いつでも換金可能だと。1億なんていつでも調達できます。といった人間にならないといけない。

●株式100分割の意図。

ホリエモンがlivedoor時代に行った株式の100分割。世間的には株価をつり上げるためではないか?という意見もありますが、ホリエモンは意図的にこの100分割を行っていたそうです。例えば、株価が10万円、100万円であれば参入する人は限られてくる。でも株価が100円、1000円であれば、誰もが参加する事ができる。それは小学生だったり、主婦だったりする。株を買えば、嫌でも株や経済の勉強しなければならない。それが金融リテラシーを養うという事だそうです。

●ゆとりの弊害が出始めた。

ホリエモンの知り合いの某会社の新卒採用で「30年後のあなたは?」という質問を面接官がしたら、ある学生は「笑顔」って答えたそうです。答えに窮したという事ではなく、大まじめに「笑顔」と答えたそです。今では運動会のかけっこでも順位を付けないと聞きますが、今の会社にとってはある意味で「ゆとり」の弊害で出ているとホリエモンは言います。

結局、大それた事は言ってないけど、ホリエモンの言っている事は一理あると思います。普通、人って立場や地位を意識しますけど、ホリエモンにはそんな感じが全くなく、悪い物は悪い良いものは良いっていう姿勢が面白いなーって思いました。