あなたは幸福ですか?そんな質問を唐突にされて、あなたは何て答えるだろうか。即答で「幸せです!」と断言できるだろうか。デフレで物は売れず給料も上がらない。1000兆円に迫る国家債務、年金の不安や老後を考えると、とても幸せと即答できる人は少ないだろう。対して、デンマークはどうだろう?ある調査によると、デンマークは国民の幸福度が世界で最も高い。法人税が0%なのか?石油で儲かるっているのか?色々な思いを馳せるが、なんと消費税が25%だという。日本の現在の消費税が5%なので、大体5倍近い税率だ。その上で国民の所得に対する負担率は71%。日本が39.5%なので、なので差は大きい。



これだけの税率で国民が幸せとはどういう事なのだろう?
今、読者の方にはそんな思いが浮かんで来ただろう。

デンマークは医療費が無料。授業料まで無料。子供が生まれたら、民主党が実施しようとした子供手当のようなものが貰える。例えば、難病の子供が海外で手術を行われなくてはならなくなった。手術費用と良心の渡航代で1億円以上の費用が掛かった場合、全額を国が負担してくれるそうだ。面白いのが、医療費は無料でも、歯科治療は保険適応外という事だ。著者は日本人でデンマークに住んでいるが、日本に来て歯科治療を受けた方安いというから驚かされる。

デンマークで全国民に主治医という小さなクリニックの医者か付いている。
まず病気になったら、主治医に相談するそうだ。いきなり大きな病院には行けないらしい。

就職に関しても独特の制度を持っていて、全ての学校に入試が無いそうだ。学生のうちに自分の職業(将来)を決定し、技術で生きて行くか知識で生きて行くか決める。デンマークでは、出た学校によって収入が変わる。より専門的な学校を卒業した方が収入は高い。日本とは違って、社会人になって学校に入り学び直すという事が可能だそうだ。例えば、「建物構造師」となると、月給は42万円。その上の建築技師(5年かかる)になると、月収は50万円になる。

やはり日本と大きく違う点は、国民が国家を信頼している事。そして、小国のため世界に打って出る。人材こそ最高の資源と捉えている点だろう。国家予算の40%が社会福祉という点にも驚かされる。北欧の国、フィンランドなどもそうだが、国家が明確な目標を持って政策を進めている。対して日本は?というと、明確なビジョンもなければ、国民の覚悟もない。

日本も消費税を25%に引き上げればいいじゃないか!

と思うかもしれないが、たぶん国民の覚悟が無ければ成功しないだろう。

国単位では無理なのか、、その辺での道州制実現なのか?

新しい日本の形として興味深い本です。