出版が2011年と3年も前の本なので技術や端末的な話ではやや陳腐化し否めません。ただ、たった数年で激変するスマホ端末に対して、形なきモノという視点で考えると、それほど大きな変化はない。怪盗ロワイアルや釣りスタがパズドラやモンストに変わったくらいで、現時点でも形なきモノを売るという視点で考えれば、試行錯誤が続いていると思います。例えば、本書にあったソニーが開発した「Googleテレビ」という今では笑い話にしかならない端末。時代は3年前だけど、未だに明確にテレビとネットが融合した例は無い。最近では、クロームキャストとかAppleTV。日本では発売されていないけれど、「Amazon fire TV」といった例もある。

●動画配信先進国アメリカ。

例えば、アメリカではネット回線の3割を動画配信サービスの「ネットフリックス」が占めている。元々は日本で言う「TSUTAYAディスカス」のようなDVDを配送してレンタルするサービスでしたが、国土の広いアメリカにおいて、月に700円〜800円の料金を払う事で5万タイトルにもおよぶ映画を見放題で見る事できる。アメリカおいて、動画配信においてもっとも使用されている端末は任天堂のWiiだと言う。最近では、ネットフリックスが100億円近い金額を投資して、大型ドラマを制作したという話がアメリカでは話題でした。詳細を言えば、ビックデータを利用して視聴者のデータを詳細に獲得していたという裏話もある。

●メイドインアメリカ。

ただ、本書を読んで思った事は、ドワンゴと角川の合併にしろ、日本が世界に先駆けて形なきモノを売るのは難しいという事。やっぱり大手では無理で、綿密なビジネスモデルとスティーブジョブズのような交渉力。パズドラやモンストの課金は上手いけれど、もっと大掛かりな部分では日本は遅れている。形あるモノではなく、形なきモノを売る事が当たり前になる時代、それはすぐ、いゃもう来ているのかもしれない。メイドインアメリカが日本を屈託するのか、日本が独自のサービスを開始するのか。

その辺が面白いと思いました。