筒井康隆の同名小説「時をかける少女」の20年後を舞台にしたアニメ。まぁ散々ネットでは語られてますし、あえて「あらすじ」「感想」を言う必要は無いと思います。簡単にあらすじだけ言うと「自転車の故障で電車で衝突し死ぬ運命だった彼女の人生が変わった。ある日主人公である紺野真琴(声・仲里依紗)は、時を遡る能力を手に入れた。時は初夏。彼女は妹に食べられたプリンを食べるためにタイムスリップしたり、カラオケを何時間も歌うために能力を使ってた。しかしある時、体の一部に数字らしきものがある事を発見する。そう、それはタイムスリップ可能な回数だった。そして、それを巡るある人物との物語。」と、簡単に言えばそういう事です。


で、少し考察をすると「時をかける少女」はそれ自体はSF的な作品ですが、本筋は「自分の人生を見つける物語なわけです。」最後のお別れ、泣くシーンとかも感動的ではあるものの、高校生、または中学生が悩む進路に対して一筋の光を見せてくれます。冒頭から貫いている「高校を卒業して文系に進むのか理系に進むのか」という進路指導の問題。真琴は勉強はもの凄く得意でも不得意でもなく普通の子。進路にも悩んでいた。しかし、最後のシーン。千昭が未来に帰って泣きわめくシーンで「私、守るから」と、千昭が未来から来た理由である。ある絵(おばさんの和子が修理していた)を守る事を決意する。本作ではその後は描かれていないけど、たぶん進路は文系で美術館で働く事を目標にすると思うのです。もう一つ面白いのがSF的ではありますが、未来が我々の思うバラ色の未来ではない点。緑も人も殆どいない数百年後の未来。それが本作の絵ともリンクする。ある意味で、未来は我々の力で変えられるというメッセージとも取れます。

物語としてはタイムスリップを利用した甘酸っぱい青春物語ですが、根底に流れるものは深いですね。たぶん、学生。時に、真琴と同じ高校3年生が見ると結構刺激的だと思います。あとED曲がいいですね。(お家でポイント貯まります。お部屋探しMAST。)あっこれは同じ歌手で違うCMの曲か、、、。(笑)最後に一つ言うと、ラストでキスをしなかった。これも結構驚きでした。もの凄く健全です。今の高校生とかませてるから、キスとか当たり前なんでしょ?