正直、これにお金を出すくらいならAmazonの中古で伝記を買った方が100倍いい。確かに、スティーブジョブズの人生を映画化したという点においては評価できます。ただ、本作はAppleおよびジョブズに対するリスペクトが全くない。ある意味で本作は出演者のそっくりさんショーです。最後のエンドロールで、実際の関係者と、演者の写真が映し出されるシーンがあったけど、ボクは「あっこれは最後にこれがやりたんかったんだな」と思いました。確かに、ジョブズ役のアシュトン・カッチャーは、そのままアップル本社に入れるくらいそっくり。本作は冒頭のiPod発表会見から始まり、それまでの間が描かれてます。ただね、やっぱりボクは理想として、スタンフォード大学で講演する力強い「ハングリーであれバカであれ」という演説でしめて欲しかった。

伝記を読んでいる人間からすれば、ゼロックスの研究所でマウスのインターフェイスをパクったシーンとか。(作品中でMicrosoftのビルゲイツに怒るシーンを入れるならば、、)突然、家族の中に認知しなかった、リサが登場している事。(リサは元恋人の子で、確か、ジョブスにもう一人の子供が生まれたのは、何人目かに結婚した奥さんだったような、、)ピクサー設立からトイ・ストーリー制作秘話とか。2時間も使うのであれば入れてほしかった。確かに、初期の頃のジョブズは過激であったものの、アップルに復帰してからのジョブズは少し変わったと聞く。本作ではそれをデザイン上級副社長のジョナサン・アイブと楽しいそうに語るシーンがあるけれど、そこからがアップル2回目の創業なんだと思います。

まず物語として面白くない。
前半部分を描くのであれば、もっと座禅とか野菜しか食べないとか、気にいった家電しか置かないから家に物が殆どないとか。そういった細かい演出も欲しかったですね。

ジョブズって凄いのかな?

というのが本作の感想です。