クラウドという言葉を聞いて、何を思い出すでしょう?勿論、天気の雲の事ではない。身近な例ではエバーノートやGmailといったサービスが人気です。でも全世界的に見ても今のトレンドは「クラウド」なわけです。そもそもクラウドの語源は何か?と言えば、Googleの元CEOであるエリック・シュミット氏が語った、、

今日、われわれは雲の中にいる。われわれは、「クラウド・コンピューティング」の時代に移行しつつあり、情報もアプリケーションも、特別のプロセッサやシリコン・ラックの上ではなく、拡散したサイバースペース大気圏の中に提供される。ネットワークが真にコンピューターになるのだ。
という言葉に由来します。
さらに、米マイクロソフトのCEOスティーブ・パルマー氏は、
10年後には社内で運用されるサーバーはなくなり、すべてがコンピューター・クラウドに移行する。
と、語っています。さらに、サン・マイクロシステムズのCTOグレッグ・パパドポラス氏は、、
世界のコンピューターは5つあれば足りる。1つはグーグル、2つ目はマイクロソフト、そして、ヤフー、アマゾン、イーベイ、セントフォース・ドットコムだ。
まぁヤフーとイーベイを加えるかは人ぞれそれですね。で、本書の凄い所は、何と言っても文章の分かり易さ。簡単に要約すれば、理系の事を文系にも分かり易く解説している所が凄いです。一部専門用語は分からない部分もあるものの、文系のIT入門として、これほど分かりやすい本は無いといっても過言ではありません。残念ながら出版が2009年で最新のデータではありませんが、基本的に起こっている事は変わらないと思います。IT各社がこぞってデータサーバーつまり、クラウドに参入している。その先端を走るのが、意外にもアマゾンという事実を知らない。簡単に説明すれば、アマゾンは大量のトラフィック(クリスマス商戦などで使われる)をさばくために、莫大な量のサーバーを持っています。その余剰分を使わない時に貸し出そうというサービスがあるわけです。

これまでサーバーを自社で管理する事はかなりのコストでしたが、アマゾンやセントフォースといったサービスを使えば、早ければ数十分で行う事が可能になったわけです。しかも、値段も格安。例えば、例としてニューヨークタイムズの過去の130年分の記事、1100万枚を保存して管理するのに、自社だけでは14年かかる所が、アマゾンのサービスを利用する事で、たった24時間で完了した。しかも、掛かった費用は240ドル程度だと言うのだから驚かされる。

今まではネットからダウンロードしてインストールする事が必須だった時代があるわけですが、時代はクラウド。つまり、ネット経由で行う事が可能になったわけです。重いソフトも時代錯誤といっても過言ではない。パソコン自体のスペックもそれほど必要ない。欲しい情報やサービスを欲しい時に必要な時に、格安で、、。というのが世界的な流れなわけです。

ちょっと古いですが、クラウド入門でこれほど読み易い本は無いです。理系本特有の(君、これは分かってて当然だよ)といった感じが無いです。おすすめです。