戦争映画が数多くあるけれど、これはボクの人生の中で間違いなくベスト1位です。巨匠スティーブン・スピルバーグ監督がメガフォンを取り、トム・ハンクスとマット・デイモン出演という、これだけで名作確実な流れです。本当に最初に見た時は、一瞬一瞬のシーンが目に焼き付き、目が離せなかった。お酒を飲んで見ていたら、最後は確実に涙が流れていたでしょう。最近の制作総指揮スピルバーグという「名前だけ貸してるだろっ!」といった作品ではなく、ガチで凄いです。これが本気のスピルバーグです。まさに歴史に残る名作です。

●あらすじ。

時は第二次世界大戦時、アメリカ軍はノルマンディー上陸作戦を成功させたアメリカ軍。そこで指揮を取っていたミラー大尉(トム・ハンクス)にある命令が下る。それは、戦争によって兄弟4人のうち3人が死に、兄弟全員を死なせるわけにいかない、そこでアメリカ軍上層がその兄弟の一人であるジェームス・ライアン(マット・デイモン)を救出しろという命令だった。空挺舞台として戦地に赴いていたライアンを探すために、ミラー大尉はメンバーを招集し、前線に向かう事になった、、。

●感想。

まず冒頭のノルマンディー上陸作戦がのシーンが凄い。次々に死んで行く兵士をなまなましく描く。顔が半分無くなったり、手足の切断、そして死。「衛生兵ーー誰か来てくれーー!助けてくれーー!」と叫ぶ兵士。それは他人ではなく、ずっと生活を共にした仲間だった。その中でも必至で戦う兵士の描写、そして流血で赤く染まる海。誰かも勝利を信じて戦っていた。歴史的に見れば勝利した戦いでもこれだけ尊い命が失われていてく様子に釘付けになる。そして、時を進んで上層部から命令で前線に向かうミラー大尉たち、そしてライアンを発見し、連れ帰ろうとするが「帰らない」とつっぱねるライアン。死んだ仲間のためにも、ここま自分だけが助かるわけにはいかない。そこは前線、時を同じくして、ドイツ軍の戦車隊が攻めてくる。限られた装備を使って、必至に抵抗するアメリカ軍。果たして結末とは、、。

ボクがこの作品が名作だと思う理由はやっぱり結末なんですよね。映画的に見れば、ハッピーエンドが理想なわけですが、安易なハッピーエンドではない。例えば、ランボー的に全員が無事で変えるという安易な結末も用意できるわけですが、スピルバーグの凄い所は、あくまで現実を投影している点です。詳しくは述べませんが、人によってはバットエンドでありハッピーエンドなわけです。あの時戦った人たちがいる、、 これが本作のテーマ。未知との遭遇の意味不明な結末ではなく、ちゃんとした結末が待っている。ミラー大尉の「無駄に生きるな、、」という言葉に心がぐっと来る。ここは涙無しには語られない。

とにかく全てが完璧な作品。是非、ブルーレイで見てください。