柳井正さんと言えば、ユニクロの社長で日本一のお金持ち(情報によれば総資産は1兆円ほど持っているらしいです。)という事くらい。世間一般にはあまり親近感はないですが、ビジネス界では有名な人。2020年までに売り上げ高5兆円という目標を掲げ、IT界の孫正義。衣料界の柳井正と言われてます。ユニクロと言えば、ボクは夏場の殆どをUT(ユニクロが出しているTシャツ)で過ごしているわけですが、柳井さんの持論として、服を変え、常識を変え、世界を変えて行く。というものがあります。前著「成功は1日で捨てされ」から数年、本書ではビジネス面だけではなく、政治面にも踏み込んでます。柳井さん自身、政治は大嫌いだ。と、断言してますが、ふつふつと煮えわたる思いがあるそうです。

まさに、今の現実を視よという事だと思います。

●もう日本は世界2位ではない。

日本人の大くは世界的に見れば、自分の生活水準は高いと思ってます。ただ、それは幻想だと柳井さんは言う。確かに、1950年代。クレしんのオトナ帝国や三丁目の夕日の頃は輝いてました。ソニーの盛田さんや井深さんが日本の地位を向上させるために必至で努力した。アップルがiPodを発売するずっと前にウォークマンで音楽を持ち歩くという文化を作りました。ジャパン・アズ・ナンバーワンという時代もあった。しかし、今の日本は衰退している。技術があるのは中小の町工場だけ。ソニーやパナソニック、シャープといった日本のお家芸とされた製造部門での衰退も激しい。生活保護の需給者も増えて、世帯年収もドンドン減っている。日本が世界2位の経済大国。それ自体が幻想でしかないのです。

●ホリエモンは虚業だったのか?

ベンチャー企業を立ち上げて、数年でマザーズやジャスダックに上場し、いとも簡単に莫大なお金を手にする彼らを、世の中は資本主義の申し子のように扱っ
た。とくにスポットライトを浴びたのが、有名な某IT起業家。(中略)何より彼を有名にしたのは、自身の本のタイトルにもなっている「稼ぐが勝ち」という
考え方である。

「金を持っているやつが偉い」

「誤解を恐れずに言えば、人の心はお金で買えるのです」



要するに、当時、彼が言っていたのはそういこと。そうした考え方に同調する若者も少なくなかった。しかし、彼がメディアに登場しはじめたころから、私は彼
を経営者としていっさい認めてこなかった。なぜなら彼らは、資本主義を、明らかに自分の都合のいいように解釈していたからである。(中略)私が知っている
かぎり、いまの中国や東南アジアで活躍している起業家に、彼のようなタイプはいない。お金さえあればなんでもできる、己さえよければいいという考え方で
は、たとえ一時はわが世の春を謳歌しても、長くは続かない。それはどの時代も、どの国でも同様である。

●政治家も官僚も3流どころか4流。

これは賛否もありますが、簡単に要約するなら、40兆円という税収で90兆円近い予算。これはオカシイという。勿論、政治の専門家ではない柳井さんの主張に賛否はあるだろうけど、やはり政治がどこか間違っているという事は事実だと思います。やはり、教師がクソ、官僚がクソ、政治家がクソの世の中で政治や運営がまともに運営されているとは思えないのです。誰かが変えてくれる、そう思っても何も変わらない。最終的に誰も責任を取りたくない、それがこの国に蔓延している病気なのかもしれない。誰もが主権者である事を忘れてはならないと思います。