最近、メディア関連の本を読みあさっております。最新の物から古いものまで、ただやはり本という媒体を通して鮮明に分かる事は、本書のタイトル「生き残るメディア 死ぬメディア」を借りるならば、どこを題材にするかによって、その本が後世に残るのか?という点です。同じ時期に発表された佐々木俊尚さんの「電子書籍の衝撃」名著でした。正直、最近になって初めて読んだのですが、電子書籍の今後は勿論の事、出版界の未来について綴れていました。

で、本書はどういかというと、簡単に言えば「旬な部分をまとめました」という事になると思います。だから、今読むとめっちゃ古いです。ニコニコ動画の黒字化、GyaoのYahoo買収。今から考えれば遠く昔の話。本書の本題になっている生き残るメディア 死ぬメディアという言葉。そして、出版・映像ビジネスのゆくえという言葉がかなり誇張です。個人的にベストな構成は、生きるメディアと死ぬメディアを交互に綴って、最終的に著者が結論を出すという方式です。でも本書はどちらかと言えば、ネット的に言う「あちら側」に焦点が当たっている。ある意味でアンフェアなんですよね。別に新聞やテレビが死ぬなら死ぬで結構ですが、死ぬ根拠が明確でない。例えば、将来的にテレビは視聴者が減ってスカパーのような有料メディアとして生きて行くのか?それとも自然消滅するのか?その部分の公共性はネットが担保できるのか?メディアを題材に扱っているなら、その程度の解は欲しかったと思います。

2010年出版で今2014年ですけど、2010年当時に言われていた事、その多くは幻想に過ぎないと思います。テレビ離れでテレビが滅びる、新聞が無くなるっていう話もできましたけど、未だに現在なわけで、むしろニコニコ動画やGyaoの方が10年後に存在しているのか?という疑問を抱く。まず、ネットは新しい、オールドメディアは古いという構図はイマイチ理解できません。妖怪ウォッチの例もあるように、未だにマスの力は健在なわけで、その辺をもっと綴って欲しかったです。

ただ、冒頭にあった取次に関する項目は面白かったです。「本が売れなくてつぶれた出版者はない」。日本独特システムが出版界を支えているという話は、なるほど!と思いました。