この本が何故、売れてないのか理解できない。マーク・ザッカーバーグと言えば、Facebookの創設者で、映画「ソーシャルネットワーク」のモデルとなった人物です。映画ではアイディアを盗んでFacebookを立ち上げた的な事が描かれてますけど、本書を読むと、たぶん考案者と名乗る人物がザッカーバーグのようにFacebookと同じ事業を展開しても成功はできなかった。ボクもその点については、不信に思っていた部分もあったけど、本書を読んで確信した。マークは天才なのだと、、。ただ、本書はマーク自身が語った事ではなく、あくまで周囲の発言をまとめたものです。でも、本書は次世代の「ビジョナリーカンパニー」に最も近い存在がFacebookだと強く思います。

本書ではマークの思考を「情熱・目的・人材・製品・パートーナーシップ」といった項目でまとめてあります。

●1.情熱。

Facebookか目指すものはお金ではない。世の中をあっと言わせたい。その情熱を元に運営を続けて来た。情熱は成功の源泉であります。自分が思った道に情熱を持って取り組む事が大切です。例えば、どんなに良いアイディアを持っていても情熱が無ければ何も始まらない。本書ではそれこそ、「アイディアはオリジナルである必要はない」とまで綴ります。

●2.目的。

一昔前の経営者はそれこそ富と名声が目的でした。事業はその道具でしかなく、いかに稼ぐか?という事が重要視されていた時代もありました。しかし、マークが目指す方向はお金ではない。つまり、お金が目的ではないのです。例えば、何度かの買収の打診関して、マークはこう語っています。
2004年には1000万ドル(10億円)でどうかと打診があったが、一願だにしなかった。売れば、莫大なお金が転がり込む。2005年にはバイアコムのマイケル・ウルフは、ザッカーバークに売却を拒む理由を尋ねたことがある。すると、ザッカーバークはこう答えた。「僕のアパートを見たことがあるでしょう?お金が欲しいわけじゃないんです」20億ドル(2000億円)の評価額が付いても、興味ある素振りを見せることはなかったという。「20億ドルほしい」という感じはなく、「あいにくですが、20億ドルでも売りません。という雰囲気だった。」翌年、ザッカーバーグはヤフーから10億ドル(1000億円)の打診にも背を向けた。理由を問われ「うまく説明できませんが、ダメなんです」と答えた。
今の時代はお金よりも大切な物があるのかもしれまんね。日本のベンチャーが育たない理由をお金といする向きは多いけれど、本当の意味で巨大ベンチャーが誕生しない理由は、理念ではなく、お金で動いている事にあるのかもしれません。

●3.人材。

会社が成長するためには、人材が必要です。それもありったけ優秀な人材が。Facebookの理念として、自分よりも優秀な社員を採用する事を重視しているそうです。そして、失敗を否定するのではなく、成功に繋げるように次に繋げる。そして、会社の社是や文化を隅々に浸透させる。多くの成功した企業は独特の社風を持っています。例えば、靴のオンライン通販「ザッポス」であったり、「Google」です。機械が機械を作るのではなく、人が作る。これは超重要ですよね。その上て゛遊び心も大切です。

●4.製品。

ダイソンの創業者であるジェームズダイソン氏がサイクロン掃除機を開発するのに1000回以上の失敗を繰り返した事は有名です。それと同じで、Facebookでは、どこが失敗を失敗としない文化があります。成功を次々に開発し、最速でプロットフォームを築く。これがFacebook流の製品開発方法です。本書の中では語られてませんが、一番大切なのは「製品に対する愛」なのかもしれません。

●5.協力。

Facebook成功の裏はにはある人物の存在無しでは考えれない。元Googleで働いていたサンドバーグ氏です。働く女性向けの本が注目を集めていましたが、ザッカーバーグとサンドバーグが二人三脚でFacbookを成長させて来た。その関係を「ビジョナリー(夢を設計する人)」と「ビルダー(価値を設計)」する人に分かれている。サンドバーグとの関係はまさにそれ。今後の会社運営は、夢を語るトップとその価値を設計するパートナーが理想なのではないか?と言います。