2001年出版の本なので、あえておすすめはしませんが、最近になってKindle版が発売されているので、気になった方はそちらを手に取ってみてください。日本ではそうではありまんが、世界を見渡すと、メディアコングロマリッドと言われる大手に集約されます。日本のように放送局ではなく、コンテンツ制作側が親会社になっているケースです。2001年の段階でアメリカの大手メディアはいかに集約されています。

・タイムワーナー
WBネットワーク
HBO

・ニューズコープ
FOXテレビ
20世紀フォックス

・ウォルトディズニー
ABC放送
ディズニーランド

・バイアコム
CBS放送
MTV
ちなみに、2014年の段階でタイムワーナーはAOLを分離しています。ITバブルの象徴ですね。で、本書が面白かった点はそこではなく、新聞についての話です。今でこそ、ニューヨークタイムズの経営が危ないとか新聞の発行部数が激減しているという話は聞きますが、既に2001年の段階でそれは指摘されていた事です。

ある意味で今までの新聞が生き残っていた理由は、無駄があったから。

例えば、ニューヨークタイムズの1日の記事のうち7割近くが発表記事。日本で言う記者クラブ垂れ流しの記事だそうです。それでも部数を維持していた理由は、つまりそれしか情報の収集手段が無かったから。

しかし、ネットの爆発的な普及によってネットニュースの方が圧倒的に有利。好きな時間に、しかも無料で見る事ができる。最近では「ハフィントンポストの衝撃」という本も出ましたね。

で、本書が面白かった部分がその先で、つまりネットでは儲からないと2001年の段階で指摘している事です。

広告単価は新聞の比ではない。そしてバナー広告に大しても広告効果を疑問視している。結果的に今の現実があるわけで、もし2001年の段階でそれに気づいて新聞社が手を打っていれば、今は違う世界が見えていたかもしれない。

最後に小話として、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が制作した長編映画「FF」です。ご存知の通り、大コケだったわけですが、同時期に公開されたシュレックと比較して、やはり脚本の面で問題があった。技術先行で進んだ映画で成功した事は無いと言います。

あえて、今更、過去を振り返るのも良いのかもしれませんね。