バカのだと国家もバカになる。これは結構衝撃的で的を得ている発言です。日本の政治家は信用ではないという事は多くの国民は言いますが、その政治家を選んでいるのは間違いなく国民。つまりは、日本は民主主義なわけです。社会の時間にも日本は代議制であって、主権は国民あると学びます。本書の著者であるKAZUYAさんは、YouTubeで18万人、そしてニコニコ動画の政治部門でトップを誇るネットの人気者です。朝日の誤報問題や慰安婦問題など日本と国家に関わる事について毎日動画を投稿している人です。1988年生まれで、若干25歳というから驚かされます。そして、本書はつまりは、日本の歴史を振り返りながら、国家というものを語るという趣旨の本です。

●学問のすすめに書かれている国家のあり方。

今、この本を読んでめっちゃ福沢諭吉の「学問のすすめ」が読みたいと思ってます。古典的な本ですが、現代語版も出ているので、近々手にとってみようと思います。知っている方は知っていると思いますが、学問のすすめにはこんな事が書かれている。
バカの国民の上にはバカな政府が出来る。良民の上には良い政府ができる。つまり今の日本の政府もこの国民のレベルを反映しているに過ぎない。
つまり、国民がバカであれば政治もバカになるという事です。今の日本の政治が悪い理由は、別に政治家が悪いわけではなく、選んでいる国民の質が低下しているとも言えます。

もう一つ当時のベストセラーになったサミュエル・マイルズの「自助論」にはこんな事が書かれています。
政治とは、国民の考えや行動の反映にすぎない。どんなに高い理想を掲げても国民がそれについていかなければ、政治は国民のレベルにまで引き下げられる。

●俺がスーパーファミコンに夢中だった頃、戦前の小学生は人生を学んでいた。

これは結構衝撃的な話でした。ファミコン、スーパーファミコン。ドラクエやFFのナンバーに関わらず、今の日本の子供が人生を学ぶ事は皆無でしょう。確かに、無駄使いするな。ゲームばかりするなと親には言われますが、国語の教科書も社会の教科書にも人生は書かれていない。では戦前の小学生はどんな人生論を学んでいたのか?というと、例えば、小学校低学年の本には、
過ちを隠すな寅吉の投げた毬が逸れて、隣の障子を破りました。寅吉はすぐに隣へ謝りに行きました。
嘘を言うなこの子は度々「狼か来た」と言って、人を騙しました。それで本当に狼が来た時、誰も助けてくれませんでした。
やっぱりあれだと思うんですよね、誰が悪いか?を探す事を最優先にするのではなく、自分が何が出来るのかと考える。そのために、自分で考える力。つまりは、本やネットを使って正しい情報を手に入れる必要があるのだと思います。冒頭に書いた、国民もバカなら政治家もバカ。だったら、国民が利口になれば、政治家も利口になるのではないかと、、。そういう意味で本書は刺激的でした。まぁ賛否のある本ですけど、ボクは面白かったですよ。