正直、Amazonに在庫が無くてずっと欲しかった本です。1月入ってすぐ出版されたんですが、Amazonでも楽天ブックスでも在庫が速攻で無くなってしまってました。で、たまたま楽天ブックスが在庫有りになった(現在ではAmazonでも買える。)ので、速攻でポチりました。届いた時は「うわっ来た、すげえーオールカラーじゃん!」と思ったわけです。普段なら内容を小見出しに分けて紹介する所ですが、正直に言うとボクが期待していたのは、明確なビジョンなわけです。



例えば、ドイツで問題になっている固定買い取り制度(それについて本書では、実は既存の電力会社によって不当に上げられているという説明がされている。)で経済が停滞したのか?不安定な風力やソーラーをどう制御するのか?という点です。



確かに、書いてはありますが、具体的に書かれている事は(既存の電力会社が不当に自然エネルギーを排除している)という事です。確かに、日本で言う東電の隠蔽体質もは問題ですが、じゃあこの本の中で明確な計画があるのか?というと、風力はクリーンで僕らが頑張ればすぐに、具体的には2020年までに100%の電力を(ソーラー、水力、バイオマス)などの自然エネルギーで達成できるというもの。ただ、自国の破綻したQセルズ社といった負の面には殆ど触れませんし、そして一番の問題が何故、オールカラーにしたのか?という点です。1800円出せば相当な専門書が買えますよ。工程表みたいなものがカラーで載っているなら理解できますが、カラーページがほぼ風車の写真なのです。



確かに、クリーンエネルギーの未来像(プラン)を示した箇所はありますが、すぐに実行に移せるほど具体的ではない。何となく、そうなのかぁ〜とは思います。正直に言うと、まず最初に始めなければならない事は、風車で自然エネルギーを100%にする事ではない。エアコンや車の燃費を改善する事ではないでしょうか?仮に、自然エネルギーを100%にしても、飛行機も動かすにも車を動かすのにも化石燃料を輸入する必要があります。その辺については殆ど触れられていないのです。あと、本書の中で電気自動車を風車のエネルギーで充電するといった章もありますが、じゃあどのメーカーが電気自動車を開発するのか?フォルクスワーゲンなのか、ベンツなのか、、。



その開発費は誰が払って、いつ普及価格になるのか?

その辺の詳細が欲しかったです。



白黒で1300円が良かったとボクは思います。

著者のインタビュー動画がありましたので、よかったら観てみてください。