うーん、残念ながら中身が薄いです。アップルとGoogle、そしてAmazonはITバブルを乗り切り、今や世界を代表する企業となりました。Googleは広告で躍進し、アップルはiPhoneで躍進した。そんな、3社を比較検証したのが本書「アップル、アマゾン、グーグルの競争戦略 」です。ただ前もって言っておくと、この本は正直に言うと中身が薄いです。まず、3社を比較検証していると言いますが、綴ってある事に独自性や刺激性があるか?と問われれば悩みます。例えば、アップルのビジネスモデルが垂直統合型だと綴られていますが、これは経済雑誌、例えば「週刊ダイヤモンド」や「週刊東洋経済」ではカラー付きで割と早い時期で紹介されていました。はっきり言えば、雑誌の特集のカラー挿絵だけを除いたのが本書です。はっきり言って、もっとアップルの深い部分、Googleの深い部分に触れられるならいいのですが、とくに新しい発見はありません。



これが初代iPhone発売と当時に発売されていれば、名著となった事でしょうが、2012年というと、既にiPhone4Sが発売されていた時期です。今更感が漂います。今の時代、新書でももっと内容は濃いです。そして本書の一番の問題点は価格でしょう。大体、ビジネス書は1200円〜1500円の間が多いですが、本書は税抜きで2200円します。正直、この内容で2200円か?と驚きました。クリスアンダーソン「FREE」や「メイカーズ」があの厚みで2000円切っているわけですから、この高さは凄いです。



たぶん、明らかに部数が少ない事を見越した戦略なのでしょう。

それはそれで正解ですが、



著者なりのもっと深い考察が欲しかったです。