劇場版コナンは殆ど全作見てます。今までずっと劇場版コナンのワースト1は「紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」だと思ってました。ボクもブログでそう綴ってますが、2014年現在まてで確実にワースト1になるのが本作です。正直、途中で見るのをやめようかと思うほど酷かった。確かに、一応はコナンとして成立してるものの、推理のトリック、そして事件の内容や犯人の動機。全てにおいて無理があります。コナンはサッカーファンですし、原作でもサッカーを題材にした話は幾つかありますので題材にする事は悪くありませんが、本作はただ有名サッカー選手を実名で登場させたかった事で全てが終わってます。



●あらすじ。



ある日毛利探偵事務所に爆弾の犯行予告の電話がかかってきた。犯人はサッカー場の電光掲示板に爆弾をしかけ観客を殺害しようとした。暗号を解いたコナンの行動によって最悪の事態は免れたものの、さらなる犯行予告が犯人から入る。サッカー観戦に居合わせた5人が容疑者候補となった。犯人が残した暗号のメッセージ。そして8万人を越える場所での爆弾予告。コナンは無事事件を解決できるのか。毛利のおっちゃんに関わるある出来事とは?



●感想。



まず本作で衝撃的だった事は、あれだけおおがかりな犯行予告と行動にも関わらず殺人事件が起こらないという事です。これは劇場版に残る事。やはり名探偵コナンの劇場版は次々に人が殺されて、そのトリックを暴きながらコナンが活躍する事に魅力があるわけです。時計事件の摩天楼しかり、14番目のターゲットしかり、うわっっっーーという展開がコナンでしょ?でも本作ではあれだけデカい犯行予告にも関わらず、最後の最後まで犯人らしい行動をとらない。おなじみの黒のシルエットでは登場するのですが、犯人との攻防はありません。そして、本作の一番の問題は殆どの謎解きが毛利探偵事務所で行われているという事です。もっと動けと、、。



本作のタイトル11人目のストライカーは犯人がサッカー場に仕掛けた爆弾を、ゴールポストに当てる事で解除する事に由来してます。



犯人の動機も毛利のおっちゃんに関わるある出来事が動機となっているわけです。(一応、毛利探偵の弁解もあるわけ)が、それが本当に動機になったのかは謎です。無理があります。ただでさえ、少ししか合った事のない某人物に対して感情移入できるのか?というと疑問です。コナンがサッカーを侮辱している的な事を最後に言うわけですが、まさにその通りですね。で、さらに本作で致命的だった箇所は少年探偵団の行動です。爆弾が仕掛けられた場所にやって来るわけですが、コナンに「危険だから車で待っていろ」と言われても、少年探偵団おーっ!よろしく、爆弾の元に行く。結果的にストーリー上は活躍するわけですが、無理矢理すぎます。



で、もう一つ気になった点が、日売テレビのカメラマンの手帳を手にしたディレクターの伏線が回収されないまま終わっているという点です。本当に、最後の最後で(あれ、10分くらい寝てたっけ?)。最後も最後でそれでいいのかっていうオチですし、最近のコナン作品に共通する最後だけ派手ならOK的なのはよくないと思います。本作ははっきり言えば、実名のJリーガーを登場させて声を担当させた時点で殆ど終わってます。完全に棒読みですし、架空のキャラクターでも良かったような、、。



最後に言えば、爆弾が仕掛けられた場所に居た蘭と園子の扱い酷すぎです。

小学校低学年くらいならまだ許せますが、連載当初からのファンにとっては満足できないと思います。



興行収入30億円越えだから、これは商業的にはOKなのかもしれないけど、、。