同じプロゲーマーである梅原大吾さんの「勝ち続ける意志力」。これは間違いなく名著だった。人生に挫折しながらも、雀荘や介護現場で働きながらゲームと人生、そして勝つため、生きるための極意が綴られてました。本書は同じプロゲーマーでありながら、ちょっと毛色が違う。そう、著者であるときどさんの経歴が東大という事です。まぁ東大だからゲームに有利か?と問われれば、それは違うと思います。冷静沈着で知識的という点では有利かもしれないけど、、。本書はそんな、ときどさんの生い立ちから現在に至るまでを綴る。



やっぱり一番面白かったのは東大在学中の話です。それまでゲーム漬けの毎日だった生活から、研究一筋の生活へと大きく変わる。「マテリアル工学科」(素材とかを研究するらしい)という場所に所属していたときどさんは、そこで研究の面白さに惹かれて行く。その人生を変えたのが、恩師Sさんの存在。もっと研究に没頭したい、しかし時を無情に流れた。



東大では試験の結果によって、入れる研究室が変わるそうです。

例えば、100点満点中の上位から好きな研究室を選べる。



ときどさんも勿論、試験には望んだものの、研究に没頭していたため、本腰で試験勉強を開始したのは試験の数ヶ月前だったそうです。結果はあえなく惨敗。恩師Sさんが所属する研究室に入る事できなかった。官僚的な扱いにときどさんも不満も持ったらしいけれど、規則は規則。どうしょうもなかった。そこで変わりに入ったのが「就職に有利な学部」だったそうです。一度は公務員を目指したものの、ここでゲームへの情熱が再燃していく。自分が本当にやりたかった事は、公務員で一生を終える事なのだろうか。学生時代に獲得したタイトル。人一倍の努力。他のゲーマーには負けてなかった。そこでひょんな事で出会う事になるのが、冒頭で紹介した梅原大吾さんです。プロゲーマーになる事を相談したときどさんに対して、梅原さんはこう言ったそうです。
新宿南口のスタバに腰を落ち着けると、ウメハラさんがこういった。

「俺が東大を出ていたら、こんな(プロゲーマーみたいな)生き方はしないよ」

「東大卒で就職して、そこでまたモチベーションの湧く仕事が見つかるかもしれない。それはやってみないとわからないから、『東大卒』を捨てる手はないと思うよ。」

(中略)

「でもね」

と、ウメハラさんが続けた。一語一句は覚えてない。でも、メッセージは明確だった。

「本当に好きなことなら、チャレンジしてみるのも悪くないと思うよ。1回しかない人生なんだから」
ボクはあんまりゲームとかプレイしませんけど、何よりゲームに人生を捧げるっていう決意が凄いですよね。「ストリートファイター」の話が本書では頻繁に登場しますが、やっぱり必至で努力を重ねた者が勝利するシステムになっている。毎日、8時間の鍛錬は欠かさない。これだけでも才能だけど、本書から強く学べる事は何事も一生懸命にやっていれば報われる事もあるという事です。天性の才能も勿論必要だけれども、やっぱりその上での努力なんですよね。



Amazonでチェックすると絶版扱いになってますが、書店に行けばまだ売っているかもしれません。

ゲーム好きならより楽しめると思います。