これは不朽の名作として知られてますが、改めてちゃんと見返してみました。まず率直に言うと、素晴らしいです。もう一回言います。すばらしいっ。この戦争を題材としながら希望を持って生きた家族の物語です。最後まで見て、本当に涙が出そうになりました。これを見ずに戦争映画は語れないでしょっ!

●あらすじ。


第二次世界大戦中、ナチスのユダヤ人強制労働施設におくられたユダヤ人家族の物語。辛く苦しい中で、子供には心配をさせていけない、恐怖の中で笑いそしてユーモアを送り続けた、親子の物語。

●感想。


まず本作が凄い点は、戦争をあえて語らないという選択肢です。普通にナチスの収容所と言えば、それは差別の連続で最終的にはホロコースト的なガス施設に送られ虐殺されるイメージ。普通の戦争映画ならナチスの誕生からユダヤ人収容までの経緯を描くわけですけど、本作まず構成から言って違うわけです。まず本編の半分が主人公が結婚して家族を作るまでの経緯が丹念に描かれている。それはそれは幸せな生活で、子供にも恵まれた。しかし、時は無情にもユダヤ人迫害の始まりを告げる。で、凡俗な映画なら例えば、身内が1人ずつ消えている描写とか、ホロコーストの映像や恐ろしい効果音を付けて、この戦時下を描写するわけですけど、本作は全編を通して明るいわけです。

ユダヤ人収容所に入れられた家族、父親であるグイドは息子のジョズエに対して、これはゲームなんだ1位になったら戦車に乗せてもらえるんだよ。と言います。そして父親は絶えず息子に対して笑顔で接するわけです。家に帰りたいと切望する子供に対して、「ゲームに負けちゃうぞ」と上手く経ち振る舞うわけです。かくれんぼだよと言って箱の中に隠れさせたり、ユダヤ人を偽って子供に御飯を食べさせたり。そしてドイツ敗戦の直前に父親はある家族を脱出させる計画を企てるわけです。

ジョズエに箱の中に隠れてなさい。あと少しでゲームに勝てるぞと言うわけです。そして、妻を探しにいくグイド。でも見つからない。そしてあと一歩の所でドイツ兵士に見つかってしまう。父親が連れて行かれる所を遠目で見守る息子。そこで、父親はおもちゃの兵隊のようなコミカルな歩きをする。そして、場面は展開して銃声が何発かダダダっと。そう父親は殺されてしまう。ここが上手いのが父親の死は描かない。

そして次の日にアメリカ軍がやってきてユダヤ人を解放する。あと1日あったら、、。

そして、本当に戦車が来た事を喜ぶ子供「ボク戦車に乗れたよ、やったー」。
「それがボクの記憶」だったというナレーション、そこでエンドロールが流れる。

戦争映画で「ライフイズビューティフル」というタイトルは不謹慎ですが、戦争中でも笑顔を絶やさない賢明に生きた家族がいた。戦争は辛いけれども、本当の意味で生きていれば幸せ。人生は素晴らしいわけです。

最後に言うと、すばらしい作品です。これは見てない人は損ですよ。