Yahoo映画を見てもネットを見ても「ロボとーちゃん最高」「過去最高の傑作」という声が聞こえるので、ボクは視点を変えて「ここはダメだった」という辛口評で攻めてみたいと思います。まず感想を率直に言えば、素晴らしいっっ!たぶん、オトナ帝国に匹敵するんじゃないか?と思うほどの傑作です。で、何が傑作かというと、本作の主人公はしんのすけではなく、父親である野原ひろしなわけです。父親としてのひろし視点で描かれた作品なわけです。ストーリー的には一見すると、父親の復権(本作で言う、ちちゆれ同盟)ですが、本作のメッセージは「父親ってかっこいい存在なんだ。一見するとダメなオヤジだけど、家族を心から愛している。そのために必至に生きているんだ。そんなオヤジはかっこいいだぜ」という事です。ジョージアのCMよりも何倍も泣けます。

クレしん初の妻としてのみさえではなく、女としてのみさえも見所です。
本当に何度も涙を流しそうになりました。特に最後の腕相撲のシーンとかね。

で、ここから少し辛口評です。

●いつものクレしんとはひと味違う。

まず、父親がロボットになる視点で勝ちなわけですけど、シリアス視点に偏り過ぎたため「ここは笑ったわ」という展開が殆どない。全編通してシリアスです。やっぱり「温泉わくわく」とか「ブタのヒズメ」的な作品がクレしんなわけですよ。確かに、オトナ帝国もシリアスではありましたが、要所要所で笑いのシーンありましたよね。ただね、オトナ帝国が実は「オトナは子供に戻りたい」という要素を残していたのに対して、ロボとーちゃんは話として完結していた事は良かったです。

●段々原(武井咲)の存在。

お笑い要員として登場する段々原さんの存在がイマイチでした。要所要所で中途半端な登場をするわけですけど、必要だったかどうか、、。バカかわいい女子というのでしょうか、そういうのが好きな監督のようです。

●ドデカシティの説明不足。

これは謎でした。一応は敵のアジトがあるという設定ですが、あまり説明はありませんでした。まぁラストの戦いのシーンで舞台となる場所ですが、もう少し説明が欲しかったです。

●本当の黒幕の謎。

これはネタバレなんで伏せておきますが、実は背後にいて、ひろしをロボットにした黒幕。ある事情から父親復権を決意して父ゆれ同盟を決起するわけですが、この動機がかなりむちゃくちゃです。一応の合理性はあるものの、その前にする事あるだろっ!という話です。オトナ帝国のチャコとケンは動機が明確だったわけですよ。腐敗した21世紀を捨てて20世紀に戻りましょうというね。そのための計画も納得ができます。ただ、ロボとーちゃんの場合は取って付けた感が強いです。

●敵役の扱いが雑。

あの人はどうなったんだろね、、、。

●コロッケがすべってる。

これは持論ですが、確実にラストに登場する芸人のコロッケがすべってました。

●感想。

はっきり言うと、超面白かった。クレしんの中でもかなり上位の物が来たと思っていいです。オトナ帝国がクレしんとしては別格と言われているように、本作もある意味では別格扱いで良いと思います。設定とかもの凄く強引な部分もあるけれど、ロボひろしという設定が自体で名作決定です。ロボひろしと、ひろし(※ネタバレ)そして、本作が伝えたいのは「実はオヤジってかっこいいんだぜ」というメッセージ。ストーリーが進む毎に涙が止まらなくります。特に、最後の腕相撲のシーンです。これは是非です。傑作である事間違いなしです。