今更読んで、今更取り上げる事自体が古いのかもしれまないけど、新書の中では確実にTOP10に入る名著です。最近では、プロゲーマーである梅原さんの「勝ち続ける意志」が話題になりましたけど、こちらは将棋という世界で培った極意がまとめられています。


基本的に将棋の話が中心なので、あれ?と思う部分もあるでしょうが、今回はその極意の中から現実の生活に活かせる事をまめとてみようと思います。

●勝負どころではごちゃごちゃ考えるな、簡単に考えろ。

将棋の世界でもテニスの世界でもそうですが、勝負で勝つ方法は素晴らしい一手や鋭いサーブではなく、負けない手です。何度も何度もラリーをして、敵が疲れた所で勝つ。

将棋の世界でも勝つ手を考えるのではなく、負けない手を打つ事が大切だと羽生さんは言います。その時に、ごちゃごちゃ考えてはいけない。単純に、そして簡単に考える事が大切なのだそうです。

●知識は知恵に変えてこそ意味を持つ。

知識を詰め込む事は簡単です。大量に本を読んだりすればOK。よく雑学の大家という人がいますが、必ずしも世間で成功しているのか?と問われれば答えは限りなく違う。

将棋の世界には過去に打たれた将棋の記録である「定石」というものが存在しますが、何かを学ぶだけではなく、そこから得るもの。それこそが、知識の知恵への昇華という事です。

●直感の七割は正しい。

大局観という言葉もあるけれど、例えば、最近ニコニコ動画でプロ棋士とコンピューターが戦った電脳戦が話題になりましたけど、コンピューターはあらゆる手。

それこそ何百、何千、時には何億という計算をして次の一手を導きだしている。人間でもプロになれば何十手先まで読めると素人のボクらは思うけれど、実はプロであっても10手先を読むのが限界。テレビで知りましたけど、実際に読んでいる手数は3手ほどで、殆ど感で打っているというのが正しいらしいです。そこで信じる直感は以外にも何十手先を読む事よりも正確だと言います。

ビジネスでも以外と、あっこれいいかもっ!と直感で思った事が正解な場合も多いです。

●才能とは、同じ情熱、気力、モチベーションを持続する事である。

ボクの持論ですが、プロとアマの差はそれは能力ではなく努力の差だと思ってます。羽生さんが将棋の天才である事は間違いないですが、それ以上に人一倍の努力を怠らない。

それはイチローだってそう。毎日、カレーだけしか食べない生活って考えれないでしょ。牛丼とかマックだって食べたいし、、グラコロとかね。それは、プロゲーマーの梅原さんにも共通する事だけれど、同じ練習を延々と繰り返す。梅原さんは、著書でこんな言葉を載せている。
勝ち続けるには、買って天狗にならず、負けてもなお卑屈にならないという絶妙な精神状態を保つことで、バランスを崩さず真摯にゲームと向き合い続ける必要がある。バランスを保つ方法は人それぞれだと思うが、僕は、自分も人間だし相手も人間であるという事実を忘れないようにすることが、バランスを崩さないことだと考えている。つまり、自分にも相手にも特別なことは何もないということだ。

自分が勝てたのは、技術の正確さ、経験、練習量といった当たり前の積み重ねがあったからで、得体の知れない自分という存在が相手を圧倒して手にした勝利などでは決してないということ。
逆の意味で、あっ練習が苦痛だな。と思った時が以外と辞め時なのかもしれない。プロだからこそ、人一倍の努力を怠らない=天才なのです。