買う前から嫌な感じしてたんですよね。でもポップの「YouTubeで110万人の登録者」「HIKAKIN推薦」という言葉を見て、手に取らざるおえなかった。マックスむらいさんと言えば、もはや子供にとっては、ガチャピンやムックではなく、マックスむらいというほど人気者です。簡単に説明すれば、YouTubeやニコニコ動画でパズドラやモンスト実況動画を中心に配信している方です。本業はAppBankという怪物サイトを運営している方なんですが、その半生を綴るというのが本書の趣旨です。

●ここが悪かったマックスむらい本。1

まず本書が問題な点は書き手が「マックスむらい」本人ではない事です。
たぶんインタビューか原案等は提出したんだと思いますが、構成・文「倉西誠一」となってますので、この方が書かれたんだと思います。まず自分の自伝を他人が書くという事が本としてはあり得ないわけです。HIKAKINさんもAmazonで批判されますけど、自分で書いている事は評価できるわけです。あれがライターが書いたものだったら、それはそれで問題ですけど、、。他人が書いた自伝を堂々とポップを付けて売っている事が信じられません。

●ここが悪かったマックスむらい本。2

本書の魅力は帯にも書かれているように「こんな波瀾万丈な人生があった」という事です。確かに、一風変わった経歴の持ち主ではあるのは事実だと思います。ただ、、

1.実家が牧場で、能登の田舎では同級生が8人しかいなかった。
2.中学ではバスケ部に所属するが周りがヤンキーばかりだった。
3.高校で合唱の面白さに出会う。
4.東京に行きたいという熱意で防衛大学に入る。
5.防衛大学が東京でないと知って、3ヶ月で自主退学する。
6.東京で「ガイアックス」という会社に入る(エヴァを製作したガイナックスとは無関係)。
7.一度退社し、短期間、海外で生活する。
8.再びガイアックスに戻る。
9.ガイアックスを退社し、IT関係の会社を設立する。
10.AppBankを開設し、今に至る。

という感じです。

確かに、防衛大学に行った事と、24歳という若さでAppBankの元となる会社を設立した事は凄いですが、煽るほど凄い経験なのか?というと違う気もします。確かに、孫正義さんを題材にした「あんぽん」くらいぶっとんだ経験を持っているかはともかく、まぁ順風満帆ではないけど普通じゃない?というのが本音です。何か特別な経験があったとか、アメリカでネットに出会ってとか、ドラマ的な感じではない。

●ここが悪かったマックスむらい本。3

ゲームについて殆ど触れてない事が残念でした。マックスむらい=ゲームじゃないですか?本書では、初めて買ったゲームがファミコンだった事、そして初めて買ったソフトが「ドラクエ3」だった事と、友達と競って「ファイナルファンタジー7」を攻略した事が書いてある程度です。人生とゲームをもっと絡めても良かったのでは?という本音もあります。例えば、「このゲームをプレイしていた時にはこんな事があった、、」とか「世界がこのゲームに熱狂していた頃」とか、見出しにそういう遊びがあっても良かったと思います。ただ、一番残念だった事は本書でパズドラにもモンストにも殆ど触れられてない事です。

●ここが悪かったマックスむらい本。4

本書はこんな言葉で締めくくられてる。
2008年10月6日、宮さんの書いた最初の記事があがり、AppBankというサイトがオープンした。
えっっっっっっーーー!!ですよ。いゃいゃ違う。逆にここからがスタートでしょ?AppBankが成長した過程とか、パズドラを初めて触った時の感動とか、ちょっしたパズトラの攻略法。そして、YouTubeの未来とか動画投稿で成功する方法とかね。いくらでも書けるのに何故、ここで締めくくったんでしょう。凄くもったいないです。さらに言えば、この本が誰をターゲットに想定しているのか分からない。YouTubeアナリティクスを使えば、視聴者の年齢層が明確に分析できるのに、あえてビジネスの棚に持って来た事がよく分かりませんでした。

マックスむらいさん大好きで、もっと知りたいな〜って思っているファンの方が買えばいいと思います。