軽い気持ちで買ったけど、これはやられた。8年くらい前(もうそんなになるんだっ!)に「レバレッジリーディング」という本が話題になりました。それまで教養=読書だった価値観を覆して、読書を投資と考える全てを読む必要はなくて、本=価値を得るものと捉えた事が話題になりました。当時、レバレッジメモをせっせと作っていたビジネスパーソンも多いので?

で、本書ははっきり言うと「レバレッジリーディング」とは対極にある本です。読む本はビジネス書ではなく、古典です。それこそ、世間的に言う「えっ古い本なんて超むずいじゃんっ!」という本です。著者の出口さんは、古典を中心に1万冊を読破。それをネット生保の仕事で活かしているそうです。

毎日、1時間の読書は飯を食べる事と同意。そんな事も綴っています。

ただね、これはある程度ビジネス書なりを読む人が読む本だと思います。勿論、良い刺激になる事は当然ですが、紹介されている本がまず難解です。喫茶店でさらさらっと読んで「あ〜面白かった」という類ではない。一つ面白い話として、じゃあ難しい本を読むと「レバレッジリーディング」で言う「レバレッジメモ」を取るのか?と言うと、出口さんはメモは一切取らないと断言します。

その上で流行のビジネス書も読まない。
出口さんが古典を進める理由として、

「古典は長く読み継がれてる意味でハズレが無いから」

だと言います。

●1字残さず熟読する。

最近では、1秒でも早く読んで1つでも価値に変換する事が流行ですが、出口さんの読書は硬派です。1ページずつゆっくりと全てのページをめくっていく。それでも、多い日で週に4冊も読む時があるそうです。読者の方から「積ん読」はありますか?と聞かれる事もあるそうですが、買った本は全て読破する。それがポリシーだそうです。まず参考にするのが、新聞の書評欄と、書店。書店では、最初の5ページを読んでピンと来れば買い!だそうです。よく「本って目次が大事だよね」と言われますが、出口さん曰く、本文最初の5ページが重要らしいです。

速読について、面白い例えがあって、弾丸バスツアーで名所名所を5分程度でざーーっと見て行く感覚。まぁこれは好みでしょうけど、本当に内容が理解できるのか?という事を言っています。

●ちきりんをすすめる。

これは結構衝撃的でした。ざざざっと固い本が並ぶ中で、ちきりんさんの「自分のアタマで考える」がおすすめ本として紹介されている事です。なるほど〜と思いましたけど、自分のアタマで咀嚼して考える事が大切だと言っています。それは同意です。これは、瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」に書かれていましたけど、今の日本に足りないのは専門知識ではなく、リベラルアーツ。つまり、基礎教養なのです。本を普段読んでいる方が、より高い次元の世界に昇には安いですし最適です。大学生にもおすすめですよ〜。