IT界において、佐々木俊尚の名を知らない者はいない、、と思ってます。佐々木さんと言えば、「キューレションの時代」や「レイヤー化する社会」で有名な方ですが、本書の題材はネットとセーフティーネットについて。最初に本書を読んだ時に、何かノウハウ的な事が書かれているのかと思ってました。でも読んでいると、ページ数は薄いのに内容が濃い。そして、語りかけてくるような文体。


いつもだったら引用して解説を載せる所ですが、すげぇ迷ってます。
佐々木さんが言う「総透明社会」つまり、ネットの人格がリアルの人格とクロスしつつあるという表現はまさにそうで、リアルをネットというネット黎明期とは違って、ネットがリアルを浸食しつつある事は事実だと思います。ただ、Facebookなどの登場によって、それがプラス方向に変わりつつあるのは事実だとも思います。

例えば、よくFacebookでリアルが充実している写真や投稿をすると、ムカっと来るという話を聞きますが、その一方で、見知らぬ相手に合う場合でも事前にFacebook等で情報を仕入れていけば、それほど問題もなく合う事ができる。

それまではセーフティーネットを国や自治体が作ってましたが、既に国家の債務は限界まで達しているわけで、今後も永続的に保護が続く保証はない。ネットは怖い一方で、ネットで正しい事をする、、それが自分でセーフティーネットを作る事。つまり、IT入門なわけです。逆の意味では、今までは日本銀行券が通貨だったのに対して、ネットでは信用と蓄積こそが通貨なわけです。

これはホリエモンが著書「ゼロ」でも書いてますが、お金が無い事が悪いわけではない。お金を借りる信用が無い事が問題なのだと、、。

すげぇ面白い事が書いてあるけど、すげぇ悩まされる本です。
同じ著者でも「簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。」とはまったく違う本です。(笑)

悩むのを覚悟で読む事をおすすめします。