読む前に本書のタイトルを見て「相当クレイジーな事が書いてあるんだ」って勝手に想像してました。「本を読まない奴は人間のクズ」「お金が稼げないのは本を読まないからだ」的なね。でも本書は予想とは反して、もの凄くマイルドです。本を読む事が人生にとって得であるという話は当然なんですが、優しく「さぁ読書の世界へおいで」と語りかけてくるような本です。ただね。正直に言うと何か統計を取って「本を読む人と読まない人の年収はこう」みたいな比較があるわけではなく、驚きは少ないです。

●今も昔もできるビジネスマンは本を読んでいる。

これは本書で一番響いた言葉でした。神田さん曰く、神田さんの周りでも読書は廃れるどころか、ますます旺盛になっているという事が綴ってあります。全体的に見れば本の販売金額が減っている事は事実ですが、全体的な冊数はそれほど下がってないと言います。神田さん洋書を含めて月に10冊以上は読むようで、かなりの読書家だそうです。

●テレビの情報は本から発信される。

以外とネット発、テレビ発という事を聞きますが、多くのブームのスタートは本である場合が多いと言います。その理由は、やはりテレビは放送時間に限りがあるので、ある一定のジャンルを掘り下げる事ができない。でも本は制約があまり無い。その上で、多くの出版社では出版前の本に「ここの引用は正しいのか」という構成が入るので、間違った情報が載っている可能性が低いといった事も挙げられると言います。

●目的を持って、周りを巻き込んで読書せよ。

まず本書を簡単に要約すれば、以下の3点に絞れると思います。

1.読書は目的を持って読むからこそ意味がある。
2.読書会を積極的に開催して、周りを巻き込んでいく。
3.読んだら終わりではなく、読んで行動する事が大切。


これは著者によって賛否があるんですよ。ある著者の本では、複数人で読む事ほど非効率な事は無いとか書いてあるわけで、ただボクは周りを巻き込んで読んで行った方が楽しいとは思います。

基本的にそれほど刺激のある事は書いてないけれど、読書初心者向けと考えればいいのではないかと思います。本音を言えば、なぜPHP研究所なのにPHP新書で出さなかったのかは謎です。もうね、こういう本をハートカバーで出す時代じゃないって。