金曜ロードショーで放送された「ルパン三世 princess of the breeze ~隠された空中都市~」があまりにも酷い出来だったので、改めてルパンTVSPを見直してます。たぶん20数作品ある中でボクは本作か「ワルサーP38」が一番の名作だと思ってます。これぞルパン三世ですよ。基本的にルパンって最近でこそ子供向け方向に転向しているけど、モンキー・パンチさんの原作そもそもが大人向けで、TVSPもかなり大人向けです。本作はまさに、大人のルパンだと思ってます。あるブローチを巡る攻防。そして、戦争によって富の全てを牛耳ろうとする投資銀行の女頭取。この世界観がたまらんっ!ですよ。

●あらすじ。

あるオークション会場にルパン三世が盗みに来るという情報が入った。ルパンを捕まえるためにやって来た銭形警部。そこでは1カラットも無い安物の指輪が取引されていた。老人と電話口の女性との競り合い。どんどん値段は上がって行く。最後の最後100万ドルで落札、、かと思いきや100万飛んで1ドルで電話口の女性が落札してしまう。そして、その入札に参加していた老人がルパンだった。それを見抜いた銭形警部。しかし、いつも通り、指輪とルパンは逃走。その指輪は、ナポレオンやヒトラー。歴史上の独裁者が身につけていた謎のブローチのヒントとなるものだった。そして話は発展し、石油の独占と戦争によって富を牛耳ろうとする、投資銀行の女頭取とルパンの攻防が始まるのであった、、。

●感想。

まずOPは過去最高ですよね。ルパンが指輪を手にして駐車場を歩いていると、レーザー光線がびゅーっと。指輪を渡さなければ打つと言われるわけです。そこでルパンは指輪を頬って車の影に、そこにはルパンの愛車アルファロメオが置いてあって、うわっ!ルパンの愛車ボコボコじゃん。と思ったら、後ろからルパンの乗った小型のフィアットがさーっと現れる。こっちか、やられたっっっ!ですよ。そこでOPのスタッフ紹介。これは本当に神演出です。

で、指輪を巡る攻防が続くわけですが、ある場所でルパンが女頭取にキスをするわけです。それがきっかけにルパンに惹かれていく女頭取。そして、女頭取は産油地域に紛争を同時多発的に起こす事で巨万の富を得ようと画策する。同時並行的に展開していく謎のブローチの行方。ミステリーとアクションが見事に融合しているわけです。

一時期は、ルパン一味壊滅。銭形警部辞職まで発展するわけですが、その辺はコミカルですよね。そして、冒頭の1ドル。そして最後の1ドル。言えないけど、タイトルの伏線が上手いです。最後に微笑んだの誰だ、、?

ただ一つ文句があるとすれば、金銭感覚がむちゃくちゃって言う話です。偽の石油会社をルパンが作るわけですが、それを投資銀行の女頭取に売却する金額が1000億ドル。それを、その日のうちに用意させるっていうね。日本円で10兆円。そこの不二子の発言が面白くて、「さようなら貧乏、こんにちはブランド品」ですよ。10兆円あったらヴィトンを会社ごと買えますよ。(笑)

アクションとミステリー、サスペンスの絶妙なバランス。これぞ正しいルパン三世TVSPですよ。未見の方はぜひおすすめします。