日本の教育問題と言えば、最近では大学全入時代における、学力の低下。例えば、分数ができない学生も居るとか、そいった類いの事が問題になってます。日本人って割と世界と比較してしまう民族じゃないですか?フィンランドの教育は世界一だから日本も真似しろとかね。英語が必要だというのも似たような理由でしょう。で、本書はアメリカ視点で見た世界の教育です。ボクはアメリカに行った事も住んだ事もありませんが、アメリカの一部の有名大学は世界をリードしている(ハーバードとかスタンフォードとか)ものの、全体を見ると先進国では下位の方に位置している。

じゃあ何故アメリカの教育がダメなのか?それを各国に留学した学生視点で分析するのが本書です。まず読む前にはっきり言っておくと、かなりの覚悟が無いと読むのはすすめません。300ページ超で日本の事は殆ど書かれてない。相当な教育マニア以外と読まない方がいいです。それで、本書で取り上げられている国は「フィンランド」「ポーランド」「韓国」の3カ国です。ただ本書が難しい点は、それぞれに一長一短があって、必ずしも全てが正解ではないという事です。

よく知られているように、フィンランドの教育水準が高いのは落ちこぼれを作らない教育方針と、世界でも最高レベルの教員の質です。比較してアメリカは、教員資格の獲得の水準が低く、悪く言えば誰でも教員になる事できる。これは日本でも問題になってますが、一つの安全策として「とりあえず教員免許を取っておく」という人が多いと言えます。

それと比較して韓国は教育大国です。大学のレベルによって人生が変わるといっても過言ではなくて、毎年のお祭り騒ぎが日本のニュースでも話題になってます。日本と同じように子供が塾に通う事は当たり前で、その上で貧富の差によって受けられる質が変わる。塾の産業規模が大きくて、超有名講師となれば年収は400万ドル(4億円)を越えるそうです。

あまりの教育熱に、政府は深夜の塾の営業を禁止する方針を示しているそうです。

アメリカの大学が優れている理由はアメリカの教育制度が優れているというよりも、世界から優秀な人材が集まる場所であるという理由が大きいようです。やはり、そこは自由の国であって、貧富の差によって受けられる教育が違うのは当たり前。入る大学そして入る企業のレベルが違うのも当たり前。ダメなやつは自己責任。その一方で成功者は賞賛される。これがアメリカの文化です。

ただ、本書は世界の教育を扱ってますが、300ページを使って画期的な教育プログラムの提案が無い事は残念でした。世界はこうだけど、アメリカはこうあるべきだという主張が欲しかったです。