あの名作と言われる「峰不二子という女」のスタッフが再集結。TSUTAYAで借りたんですが、25分の作品を2枚分ける消費者泣かせの販売戦略は置いておいて、本当に素晴らしい作品でした。最近のTVSPは不評ですが、これぞルパン三世ですよ。ある宝石を狙いに、架空の国家である東ドロアに潜入したルパン。世界一安全な国と言われる場所で起こっていたある陰謀。

そして、敵の墓標を作ってから暗殺を行う謎の暗殺者。そして、狙われる次元。冒頭の公用車をルパンたちが乗っ取るシーンから「うわこれすげぇ」って思いました。次元と言えば、TVSPなどでは殆ど敵無しの天才ガンマンなわけですけど、本作では違う。墓標とタイトルにもあるように、次元は死んだ、、のかもしれないし生きているのかもしれない。(※ネタバレは避けます。)

ルパン三世という名前が付いてますが、主役は次元です。

そして、ある女性歌手を巡る過去。戦争をめぐる陰謀や国家、そして利益と報復、全てが見事におさまってます。やはり短編映画という事で制約が少なかったんでしょうね、不二子のあんな姿やこんな姿が見られます(※ちびっ子は見ちゃダメ)。生と死がこんなに近いルパン三世は本当に初めてみました。

そして最後の最後での暗殺者との一騎打ち、次元の弾丸、そして運命とは、、、。

TVSPのような仲良しの2人ではなく微妙な距離感のある相棒という言葉が相応しい。そして、ルパンと次元の服装の配慮。モンキーパンチ先生の原作が誕生して数十年が経つし、TVSPも何十作と作られているけど、本当に最高傑作と言っても不思議ではない。生きている間にこんな素晴らしい作品に出会えた事に感謝です。

最後のテロップに「銭形警部=山寺宏一」と書いてあったので、あれ銭形警部出てたっけ?と思ったらEDの後のしゃれた演出。そして墓石に刻まれた人物の名前がお楽しみです。2枚で1時間程度ですが、これは本当にTVシリーズ化して欲しいほどのクオリティです。ルパンファンならずとも是非、おすすめです。