苫米地博士はボクの中で何となく胡散臭いイメージが漂ってます。と言いながらも何冊も読んでいるわけですが、意外と著書で語られている事はまとも。本書も最初は何か怪しい方法でお金を稼ぐ方法が書かれているのかしもれない、、と思いましたが、非常に全うな本でした。

苫米地博士はお金を稼ぐ方法は3つしかないと言いますが、結局の所、世の中のシステムとしてお金が集まらない原因は社会に貢献してない、つまり社会を変えられてないという事だと思います。

例えば、本書で言うGoogleは赤字なのに何故に資金調達ができたのか?そして、フェラーリの創業者がお金もないのに車を開発できた理由。

●借りたお金を返す必要はない?

つまり、将来性があって未来に稼ぐ事ができる事が確信できれば、未来からお金を借りる事ができる。一見すると日本人は借金=負債だと考えるけれど、企業のや事業の借り入れは返済す必要はない。それは経済的に言えば株の有限責任ですし、金融機関から借りたお金を返す必要はないわけです。自己破産して再度立ち上がる事も可能なわけで、日本はあまりにも固定概念というか、借金をして破産したら首を括るイメージが先行してしまっている。で、本書ではある意味で陰謀論的な話も書かれているわけですが、面白かった部分が3つあって、

●ピケティの資本税について。

1つ目はピケティ批判。ピケティが言うRとGの不等式において、ピケティは資本に対して課税するべきだっ!と主張している事は「21世紀の資本」を読んだ事が無い人でも何となく知っていると思いますが、苫米地博士曰く、そうすれば、お金持ちは企業を立ち上げてそこに資本を移動させる。そうすると、じゃあ全ての企業から資本税を取るのか?というと現実的ではない。

●東京の土地と開発。

2つ目は土地の話で、三菱地所や三井不動産が都心の一等地に大量の土地や建物を所有している理由は別にそもそもお金持ちだったわけでなく、元は何も無かった場所に土地を買って駅を建てて開発した事になります。それを真似して成功したのが西武であり東急の創業者なわけですね。

●ギターで会社を設立。

3つ目はお金の話です。苫米地博士はビンテージギターを大量に持っていると写真付きで紹介してますが、これは別に全てを弾くために所有しているわけではなく、ある意味で投資です。本書ではギターを資本に会社を立ち上げという話が紹介されていますが、ビンテージギターはプレミアが付いていてなかなか値下がりする事がない。その上で、

・中古のギターを買えば楽器としと利用する事できる。
・ビンテージギターは償却資産として税金を安くする事できる。
・値上がりによって利益を出す可能性もある。
・ビンテージギターを出資として会社を作る。別に現金だけが会社を設立する方法ではない。

それはギターに限らずグランドピアノもそう。これは生活に場所を移せば、スマホを買うなら中古で高く売れるiPhoneにしろ。というのと同じ理屈です。

苫米地博士は株は儲かるものじゃない、と本書で綴ってますがその辺は自己判断で、、。お金という視点で意外と面白かったです。