劇場公開の時から話題でしたが、TSUTAYAでレンタルが開始されたので速攻で借りて来ました。率直に感想を言うと「すばらしいっ!」の一言です。たぶんここ数年の洋画の中ではベスト1位級の作品だと思います。確かに、ストーリー的に無理な部分もありますが、それを越える壮大な演出と伏線の張り巡らされた作品。たぶん殆どの人が最後のシーンを見て「おおっっそうだったのかっ!」と思うはず。本作が素晴らしい点は幾つかありますが、やはりアドバイザーにタイムマシンの権威を採用している事と、映画にも関わらず相対性理論や重力と言ったテーマを上手く採用している事です。

話によれば、元々はスピルバーグ監督が進めていた企画だったようで、それをクリストファーノーラン監督が引き継いだそうです。

●あらすじ。

21世紀を過ぎ、地球は重力変化によって危機に見舞われていた。砂嵐が頻繁に起こり食物は育たない。このままでは地球人は全滅してしまう。誰もがその危機感を感じていた。そして、主人公であるクーパーはひょんな事から閉鎖されたはずのNASAの惑星探索プロジェクトに参加する事になる。クーパーは娘と息子、そして父親を残して惑星探査の度に旅立つのであった。

●感想。

本作のテーマは「親子愛」ですよね。一見すると宇宙を探索する単純なSFもの。例えるなら「マクロスF」に近い世界観があるけれど、実は「宇宙戦艦ヤマト」に近いものがある。家族を救うため、最愛の娘を捨てても宇宙に旅立った主人公のクーパー。相対性理論の関係で、クーパーの年齢は数歳しか変わってないけれど、地球に残した娘は自分と同じ年齢になっている。一時は父親を憎んでていた「自分を捨てて私の元を離れたの?」でも父親であるクーパーは一度だって娘の事を忘れた日は無かった。実は地球のためというのは方便であって、本当は娘が安心して暮らせる未来を作りたかった。そして時は流れて再開した2人。その時の娘の暖かい目(おかえり)というメッセージが言葉を介さずとも伝わってくる。

ただ、その一方で後悔の念もあるんだ。人類は救ったけれど、本当にこれが正しかったのか?という。親子の絆、そしてメッセージが本作の伏線の部分で重要になってくる。脚本は絶対に極秘と言われていたほど厳重に保管されていた。それくらいラストは素晴らしい。あの場面とあの場面。そして、親子の絆が伝わって来るシーン。科学的に無理な部分。監督であるクリストファーノーランが無理矢理に作ったシーンもあるけれど、本作に貫かれたテーマは「親子」そして「愛」だと思った。実は相対性論がメタファーになっているのかもしれない。マットデイモンが確実に邪魔だけれど、本作は確実に名作です。

時間は戻らない、1秒でも時間を無駄にすると後悔する。つまり、時間を大切しろというメッセージです。