最近のクレしん劇場版は評判かいいです。最新作の「オラの引っ越し物語 サボテン大襲撃」もYahoo映画等で上々の評判です。全作のロボとーちゃんも良かったですが、90年代のクレしんは今よりもずっと良かったと思います。これぐらいファンタジーとシリアスがミックスした壮大な感じのしんちゃんが好きです。例えば、その筆頭が「ヘンダーランド」ですよね。ボクは本作かヘンダーランドがクレしんの映画版としては最高傑作だと思っている人です。オトナ帝国も名作ですが、あそこまで行くとクレしんとは別格だとボクは思ってます。


●あらすじ。

秘密結社「ブタのヒヅメ」が開発中のプログラムをあるスパイが盗み出した。その女性はSML(正義の味方LOVE)のメンバーだった。時を同じくして、ひまわり幼稚園の面々は園長が福引きで当てた屋形舟のツアーに参加していた。そこに現れたコードネーム(おいろけ)を名乗る女性。そこに現れたブタのヒヅメの巨大な飛行船によって屋形舟は連れ去られてしまう。逃げ後れたカスカベ防衛隊の面々とおいろけはブタのヒヅメによって拉致されてしまう。誘拐されたしんのすけを助けに向かう、ひろしとみさえ。そしてSMLのメンバーというコードネーム(きんにく)を名乗る男。秘密結社「ブタのヒヅメ」の計画を阻止、無事に戻る事はできるのか、、。

●感想。

まずこの冒頭でのシリアス感は凄いですよね。えっ何々この人は誰?という期待と驚きの連続。そして東京湾に現れた謎の飛行船。連れ去れるしんのすけたち。でも、そこはクレしんシリアスな展開ながら、「ブタのヒヅメ」の幹部の厚底靴をイジるというしんのすけのコミカルな演出が安心させる。そして、本作でもの凄く革命的な演出は、しんのすけの写真を取りに来たSMLのメンバーである(きんにく)とのやりとりですよね。みさえによって下剤をお茶に仕込まれたきんにくは、トイレに行きたい。でも、誓約書にサインするまではトイレに行かせない。そこでのひろしとみさえの攻防を劇画タッチで描く。そして、トイレに入った時の演出は本当に笑えるわけです。

で、本作のテーマとして子供たちの成長というものがあるわけです。あるきっかけで船から脱出したしんのすけたちはカプセルに装備されていたキットを使って野宿をするわけです。星が奇麗だね〜って言って。またここで流れる音楽が最高ですよ。基本的に本作は全編通してBGMが素晴らしいです。このちょっと大人への階段を登るっていうのが素晴らしいですよね。ドラえもん劇場版に近い感覚がありますが、、。

そして最後の最後である理由から登場する「ブリブリざえもん」。ヘンダーランドではしんのすけにお金を要求したり、役に立たない雰囲気ですが、本作ではもの凄く活躍するわけです。これはライムスターの宇多丸さんが言ってましたけど、「しんちゃん成長しちゃう問題」ですよね。最後に何の説明もなく、しんのすけから流れる一筋の涙。本当に泣けます。ちょっと大人になったしんのすけ。そして、最後の最後、本当に最後でのある人物の活躍。そこでも涙がばーっと出ますよ。あいつめ、、。

笑いとシリアス、そして冒険活劇として、本当に完璧ですよね。

ただ、主題歌&ゲスト声優のシャズナのIZAMは今のちびっ子には分からないでしょ、、時代を感じます。

是非、ご家族でどうぞ。