このシリーズも6作目ですが、このシリーズは本当に買って損無しですよね。特、ボクのようにニュースも新聞も殆ど見ない人間にっては「なるほどあのニュースの背景はそういう事だったのかっ!」という事で有用です。

●感想。

「このシリーズは買って損無しです。既に6作目ですが、個人的には1年に2回くらい出してもらって構わないです。基本的に世界の大問題という事で大半が海外ニュースの解説ですが、後半ではちょろっとアベノミクスについても触れてあります。」

「この本の何が魅力なのか?と言えばニュースの後追いですよね。例えば、ニュースではギリシャが危険です。とか、ロシアがクリミアを編入しました。という事は分かりますが、そもそもロシアがクリミアを何故欲しがったのか?そして、ギリシャの今はどうなっているのか?本当ならネットで隅から隅まで見て、雑誌のコラムを見て(あっそうだったのか)と気づく事がさらっと分かる。」

「ただ、本作の一番の凄さは何か?と問われれば池上さんの主張ですよね。池上さんの何が凄いって、この本の中にまったく自己が投影されていない事です。大体、ニュース系は主張が出るわけです。一番分かりやすい例で言えば、右か左かの差。そして、アベノミクスで言うリフレ派と反リフレ派。」

「でもこの本にはまったくその主張が無いわけです。淡々とこのニュースの背景はこういう事です。といった事が語られる。ある意味で某新聞よりも全然色が無い訳です。逆の意味では、それが池上さんの良さですよね。」

「反アベノミクスだっ!とか言っている池上さんは池上さんじゃないです。」

「個人的に本書の中で面白かった事は2つあって、実はギリシャはドイツに対して損害賠償請求を行っているという事実です。これにはEU側は飽き飽きしているそうですが、興味深かったのが経済危機に陥っていたイタリアなどの景気が上向いている事。これはニュースでは殆ど語られません。」

「EU民曰く、ギリシャは見捨ててもいいのではないか?という話です。」

「で、2つ目はイラクと中東にあけるアメリカの介入ですよね。これはブッシュ大統領が始めた戦争である事は周知の事実なわけですが、パパブッシュは偉かった。という話。パパブッシュは引き際が上手かったわけです。引き際を失敗したのがブッシュ大統領でありオバマ大統領。」

「次期大統領選では、ブッシュの弟とヒラリーの対決になるのではないか?という見方。実は、兄のブッシュ大統領よりも弟の方か優秀らしいです。」

「(歴史そして世界を見る事でニュースは分かって来る)という池上さんの主張には同感です。」

とりあえず買って損なしです。本書はできるだけ早めに購入する事をおすすめします。