タイピング。今ではパソコン作業で一般的ですが、50年ほど前までは人が原稿を見て複写していた時代があります。本作「タイピスト」はそんな1950年代を舞台に田舎から上京しタイピストとして活躍した女性「ローズパンフィル」とある男性の恋い模様を描いたラブストーリーです。


いゃもの凄く正当派は映画ですね。何か社会的な風刺を入れてくれるのか?とか時代背景を絡めてくるのか?と思いきや、真っすぐに男女の恋いを描いてしまった。今ならコピペで済むような事も50年代では女性の大切な仕事であり、タイプが早い=仕事ができるの象徴だったわけです。

本作の魅力は何と言っても主人公であるパンフィルを演じた「デボラ・フランソワ」ですよね。

かわいいです。日本で例えるなら、本田翼さん的な女性なんですが、最初から少し天然な所もありつつ、あっこいつ女性の強みを意識的に利用してるな。という感じですが、所々で見せるツンデレな演技。顔の表情。これが本作の最大の見所です。

ストーリー的にはもの凄く単純なんです。男女が偶然に出会い惹かれ合って行く。そして離ればなれになりながらも、また惹かれ合って行く。単純ですね。そして最後はハッピーエンド。この完璧なラブストーリー映画ですよ。フランス万歳です。最後に疎遠だったお父さんの贈り物を見た瞬間は涙がぽろりです。

ただ、2015年でスマホ全盛の時代にタイピストの映画を見ても中島みゆき的「こんな時代もあったよね」ですよね。本音を言うとラストに「iPhoneを発表するスティーブジョブス」の姿を見せたら完璧だった。「タイプの時代は完全に終わりました。これからの時代はスマホです」ってね。(笑)

ただ、やっぱり最後の決勝戦、、タイプ勝負のシーンはハラハラしました。おすすめです。