最近、地味にセゾン関連の本を読んでます。

セゾンと言えば、皆さんお馴染み(ポイント永久不滅)ですが、セゾンの経営者だった堤清二さん。

(コクドで有名な堤義明さんまぁこちらの方が有名)のお兄さんです。

セゾンと言えば、今では殆どカードでしか知られてませんが、西武百貨店と共に70年代〜80年代の文化を担ったといっても過言でありません。

糸井重里さんの(おいしい生活)(不思議はっけん)なんかもこの時代に登場した西武百貨店のコピーです。

結果的にバブル期の失敗。

過度な投資にとってセゾン時代は危機に陥り、堤さん自身も一線から身を引くわけですが、本当に当時は凄かった。

スーパーの西友。無印良品。ファミリーマート。

この他多くの企業が発祥はセゾンに由来しているわけです。

本書は対談形式で展開されますが、面白いのが対談相手は堤清二さんではない事です。

実は、著者名にある「辻井喬」とは堤さんのペンネームで経営者時代も含めて高い評価を得ている詩人です。

堤清二としてはインタビューは受けられないけど、辻井喬としては受け入れるという冒頭の面白い話。

本書が面白いのはその時代の文化を象徴している事です。

さらっと読めばただの対談ですが、その奥にには深いものがある。

辻井さんは80年代あたりから広告コピーが効かなくなってきたと語ってますが、この辺が消費者マインドが変わった大きなターニングポイントなんでしょう。

文化論、消費論としても面白いですが、当時を生きた人間はもの凄く共感し考えさせる部分はあります。

普通に聞き手としての上野千鶴子も一流ですし、上品な対談本です。