もはや語るほどの無い名著です。

出版自体はかなり前ですし、実際に読んだ方も多いでしょう。

ボクも発売当時に読んだクチですが、自分の中で咀嚼できなかった部分がありました。数回読み直して(あっこういう事なんだな)という事が理解できたので感想書いてます。



本書の「ゼロ・トゥ・ワン」という言葉。つまり、1から10を作るのではなく、ゼロからイチを作る事が重要なのだという著者の言葉です。

著者であるピーター・ティール氏はペイパルを創業し、イーベイに売却し売却資金を元にベンチャーキャピタルを創業しています。Facebookの初期投資に参加しさらにお金を増やした生ける伝説。

ペイパルには他にも、テスラのイーロンマスクやYouTubeの創業者などがいて世間では彼らの事を(ペイパルマフィア)と呼んでいます。

●目次。

1.僕たちは未来を創ることができるか
2.一九九九年のお祭り騒ぎ
3.幸福な企業はみなそれぞれに違う
4.イデオロギーとしての競争
5.終盤を制する―ラストムーバー・アドバンテージ
6.人生は宝クジじゃない
7.カネの流れを追え
8.隠れた真実
9.ティールの法則
10.マフィアの力学
11.それを作れば、みんなやってくる?
12.人間と機械
13.エネルギー2.0
14.創業者のパラドックス

終わりに―停滞かシンギュラリティか


●感想。

著書で衝撃的だった事はよくあるベンチャーキャピタルの手法である大量のベンチャーに投資する事で、当たりを引く事を否定している事です。

本書を要約すると、以下のような事が言えます。

・市場を独占する事に意味がある。
・大きな事をする方がいい。
・競争の激しい市場では収益が消滅する。
・販売は製品と同じくらい大切。


そして、市場に先に参入する事よりも最後に入って、最終的に勝つを事を勧めます。

ベンチャー論としても非常に興味深いです。自然エネルギー企業の大きくが失敗し、テスラが電気自動車で成功した理由。それは、圧倒的な技術力の差であると言います。

機械の進歩によるスカイネット的発想。未来は暗いという悲観。

最後に著者のこんな言葉を紹介します。

「もし本気で長期的な人類の発展を望むなら、
ただの140 文字や“永遠の15 分" を超えた未来について考えなければならない。
ZERO to ONE はシリコンバレーを教科書に、
難題を克服してこれまで存在し得なかった偉大な物事を築きあげるための本だ」


それほどページ数ない本ですが、深くて面白かったです。ぜひ、一読を・・。