【水曜日のコラム】視聴者はネットフリックスのオリジナル番組より定番の作品がお好き?

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どうも、まめタンクです。

毎週、水曜日にお送りしているコラムのコーナーです。

ネットフリックスと言えば日本でも映画好きの間でも人気の動画配信サービスです。「ハウス・オブカード」「オレンジイズニューブラック」「フラーハウス」、最近ではアカデミー賞で物議を醸した「ローマ」など、大作映画顔負けの制作費とクオリティで視聴者と業界を驚かせています。2018年だけでも80億ドル(約8200億円)を投入し、2019年には130億ドル(約1兆4000億円)を投入する予定で、フォーブスが報道する所によると、ゴールドマン・サックスの予想では2022年までに、その額は225億ドル(約2兆4000億円)に達すとされています。

そんなネットフリックスですが、varietyで紹介された7Parkの調査のよると、アメリカのユーザーのうち80%がネットフリックスのオリジナルコンテンツではなく、定番のコンテンツを視聴しているとの事です。その上位には、「グレイズミー・アナトミー」「ザ・オフィス」「ブラックリスト」など日本でも人気のタイトルが並んでいるとの事です。話によるとネットフリックスが力を入れた「ストレンジャー・シングス 未知の世界」が公開されてから7日間が経っても、ユーザーのうち63%が以前として定番のライセンスコンテンツ視聴していたそうです。さらに、「ブラックミラー」のシーズン3が公開後も以前として88%の視聴者が定番のライセンスコンテンツを視聴していたとの事です。

ウォルト・ディズニーが20世紀フォックの資産を買収し、「ディズニープラス」を月額6.99ドルで開始し、アップルもスピルバーグなどと手を組み動画配信サービスを全世界で開始する予定なので、ネットフリックスのオリジナル戦略がどこまで視聴者を確保できるかには注目です。

映画通には人気のネットフリックスですが、日本では「hulu」「プライムビデオ」「dTV」「U-NEXT」にすらシェアで負けている状況を考えると、複雑ですね。(個人的には、ハウス・オブ・カードあたりは面白いと感じますが、ネットフリックス制作のアニメに関しては、ややマニアック過ぎるのでは?と感じています。)世界的にそうですが、やはりテレビで見るコンテンツは惰性なんですよね。アメリカでは、カウチ・ポテト(ソファの上で動かずのお菓子を食べながらテレビを見る)なんて言葉もありますが、オリジナルの今後はネットフリックスの業績を大きく左右しそうです。

ーー 次回もまた見てね!<終> by まめストリート・ジャーナル 編集長 まめタンク ーー

山内社長の遺言?任天堂が多額の現金(8400億円)を保有する理由。

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どうも、まめタンクです。

任天堂と聞くと、日本人ならお年寄りから子供まで誰もが(あっゲームの会社だ!)と知っている日本の代表的な企業。日本に限らず「Nintendo」は世界でも知られています。マリオ、ゼルダ、ドンキーコング、言葉にするだけで笑顔になれる会社です。その一方で、投資家の間でも任天堂は有名な存在だと言う事をご存知でしょうか?特に、日本でも有数の金持ち企業(キャッシュリッチ)だと言う事を・・。

最新の決算短信によると2019年の4月現時点で現金の総額は、なんと驚愕の約8400億円です。
負債も殆ど無く、超優良企業です。ここで一つ疑問に思うのが「任天堂は何故、ここまでの現金を保有する必要があるのか?」という事です。実は、ここには創業家で任天堂を世界のゲームメーカーに伸し上げた故山内博社長と、ニンテンドーDSとWii成功の立役者で、残念ながら志半ばで亡くなってしまった、故岩田社長の考えがあります。

任天堂が多額の現金を保有する理由は「ゲームなんて当たるか外れるか分からない、1度や2度失敗しても会社が倒産しないため」という事です。

実際、ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイとヒットを連発し世界の家庭用ゲーム業界を支配していた任天堂ですが、94年に発売されたソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション」そしてキラータイトルであった「ファイナルファンタジー7」を奪われ、王座からの転落。96年に社運をかけて開発した「ニンテンドー64」はスパコン並の性能と64ビット。しかし、その複雑さから「マリオ64」「マリオカート64」など一部を除いて、ソフトの供給がままならずに苦戦。続く「ゲームキューブ」でもピクミンといったヒットはあったものの、王者ソニーにPS2に手も足も出ず。

しかし、苦戦の中で二画面の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」体を動かして遊ぶ新感覚の「Wii」が世界的な大ヒットを記録し、2007年には時価総額が10兆円を突破するという快挙を達成します。しかし、その後の「Wii U」ではゲームパットとテレビの二画面という要素が受け入れられずに失敗。ゲーム機からスマホへの変化によって、2010年代には赤字を計上します。

任天堂は終わったのか?

ここで「多額の現金保有」という格言が生きてくるわけです。


「Wii U」や「業績赤字」といったマイナス要因があっても耐える事ができた。
その苦境を乗り越えた先に、今の新型「ニンテンドースイッチ」の成功があるわけです。

つまり、任天堂は多額の現金を持つ事で何度もトライする事が可能なわけです。
任天堂は愚直にゲームメーカーである事を貫いている。

銀行借り入れに頼らず、ゲーム機を何度も開発して挑戦できる、これが任天堂の最大の強みであり、任天堂が多額の現金を保有する理由です。


ーー 次回もまた見てね!<終> by まめストリート・ジャーナル 編集長 まめタンク ーー

だから格差は拡大する、ビジネスマンの6割は「月に1冊も本を読まない」という衝撃

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どうも、まめタンクです。

楽天ブックスがビジネスパーソン向けに読書の意識調査をしたデータによると、主要なビジネスパーソンのうち6割(60%)が月に1冊もしくは1冊未満(途中で読むのを止めたのでしょうか?)だという事が発表されました。若者の読書離れという言葉は盛んに聞かれますが、ビジネスパーソンの読書離れは深刻なようです。

調査によれば、0.5冊未満が42.1%で1冊未満が18.7%と合計で過半数以上に達しています。


楽天ブックスが「2018年の読書量」を聞いたところ、最も低いカテゴリーの「年間6冊未満」が全体の42.1%で最も多かった。

月あたりの読書量に換算すると「月に一冊の本も読まない」は全体の60.8%にのぼり、「月に10冊以上の本を読む」と答えた人(3.9%)の15倍以上となった。

役職別にみると、「月に1冊以上6冊未満の本を読む」と答えた割合は、若手社員の24.7%に対して、管理職が34.3%で10ポイント近く上回った。

一方で、「月に6冊以上の本を読む」と答えた割合は、若手社員の11.3%に対して、管理職が7.3%と、逆に若手が4ポイント上回る結果となった。

https://www.j-cast.com/kaisha/2019/02/17350473.html?p=all


逆に月に10冊以上が3.9%、8冊以上10冊未満が3%となっております。

●ピケティ的格差拡大



これだけのデータを見ると(あぁ本を読まなくては・・)と短絡的な結果しか導く事しか出来ませんが、本質はそこではなく月に10冊以上読む上位3%の層との差が月に10冊以上開いている事です。1冊200ページだと仮定しても月2000ページ以上の差が生まれているわけです。経済学者のトマ・ピケティは著書「21世紀の資本」の中で格差は「資本所得」(株や不動産から生まれる所得)と労働所得(実際に働いて得られる所得)の格差があるからだと説明しています。つまり、労働して得られる賃金よりも株や不動産で得られる所得の方が高いので、格差が生まれているのだと・・。

ピケティを文字って説明するなら、現在の格差はこう説明できます。


本を読み情報を活用する人 > 本を読まず搾取される人

日本に限らず世界的に読書離れが加速しているという報告があります。Psychology of Popular Media Culture誌の調査によえると・・


新聞や本を1日1回は読むと答えた高校3年生の割合は、1970年代後半の60%から、2016年には16%にまで激減した。2016年には、高校3年生が1年間に読む本の数は1976年に比べて2冊減少した。また、彼らの3分の1が、電子書籍を含めても、過去1年間に娯楽としての読書を1冊もしていないと回答している。
https://newsphere.jp/national/20180824-2/


●大富豪は読書がお好き



本を読まない若者やビジネスパーソンが増える一方で、成功者は読書家が多いという話は有名です。世界的な富豪であるビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、マーク・ザッカーバークなどは熱心な読書家です。ビル・ゲイツ氏は「もし手に入れたい能力があるとしたら?」という質問に対して「ものすごいスピードで本が読める能力」と答えています。自身のブログ「gatesnotes」では定期的におすすめ本を紹介していて、未だに紙の本がお気に入りだそうです。


・ビル・ゲイツが選ぶ「2018年に読んだ記憶に残る5冊の本」 - GIGAZINE

●世の中はクソゲーとは限らない



格差は間違いなく拡大する、それは読むか読まないのかの差でしかない。

著者まめタンクが確実に断言できる事は、これからは格差は確実に拡大するという事です。今までの格差は言うなれば機会の差でした。大学試験でランクの高い大学に入り、より良い会社に入れば老後まで安泰だったわけです。けれど、これから情報の格差こそが勝者と敗者の運命を分けます。つまり、本を読むか読まないかです。

何故、ビル・ゲイツを含める成功者が非効率な読書を好んで行うのか?と言うと、大抵の事は本に答えが書いてあるからです。例えば、ドラクエの攻略本が手元にあれば難しいダンジョンも容易にクリアできます。攻略本を持ってない人との差は歴然です。人生の攻略本、読書をする人間と読書をしない人間の差が拡大する事は明白です。つまり、攻略本が売っているのに(高いから買わない)と言い張って、途中のダンジョンでつまずいて(このゲームはクソゲーだ)と言っているに過ぎません。


●読書するだけで上位40%



最後に和田中で民間人校長を務めた藤原和博さんの有名なフレーズを紹介します。

1.パチンコをしない。
2.携帯でゲームをしない。
3.月に1冊以上本を読む。

たったこれだけで、8分の1の人になる事が可能だと言っています。

今の時代、本を読む人は圧倒的に有利です。だって、たった月に数冊の読書で60%の人より優位に立てるのですから。



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人間と機械の戦い「ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実」が面白い。

ここ最近のニュースとして、囲碁の世界王者とGoogleのディープマインド社が開発した「アルファ碁」の戦いが注目を集めています。結果的には機械が人間を凌駕している事が照明されたわけですが、本書のテーマは機械と将棋です。ニコニコ動画の人気コンテンツである「電王戦」を題材に、将棋の人口知能を開発する技術者と棋士たちの戦いを追ったルポです。


巷では、羽生善治さんの挑戦を望む声が多いようですが、本書がテーマとする事は、どちらかと言えば棋士の戦いを描くというよりも、将棋ソフトを開発する技術者に焦点が当たっている気がします。いかに強い将棋ソフトを開発するのか。そこにはロマンがあって、理想がある。

決して、将棋のプロでもないプログラマーが人生を捧げて開発に専念したシ将棋ソフトとの戦い。これが非常に面白いのです。タイトル通りにルポですね。一部の将棋ファンからは「機械と人間は違う」とか「対戦中に機械をアップデートする事は反則ではないか?」といった批判があったようです。機械が人間を超えると言うとターミネーター的なイメージであったり、専門用語で言うなら「シンギュラリティ」つまり機械が人間を超える悪い印象があります。

でも本書での人口知能は人間が開発したものであって、人間が精魂込めて作ったもの。それはある種の作品だと言えます。本書にも書かれていますが、将棋ソフトは一つではありせん。人間との戦い以前に機械同士の戦いがあって、そこから選抜されたソフトがプロの棋士と戦う。その源流を辿ると数十年前。それこそファミコン時代からあって。当時はプロはおろか素人にすら勝てる力は無かった。本書に掲載されている調査によれば、多くの棋士が2010年代から2020年代までには機械が人間を超える(羽生さんは2015年頃と予想していそうです。)一部の棋士の中には機械は人間を超えないという意見もあったそうですが、1990年代にIBMが開発した人口知能ディープ・ブルーが当時最強を誇るチェスの名手カスパロ氏を破ったニュースは衝撃的だったそうです。

チェスと将棋はルール的には殆ど同じですが、大きく違う点が敵のコマを自分のコマとして使える点です。これによって想定される手数は無数に広がっていく。これがチェスに比べて将棋の世界では人間が優位だった理由です。しかし、コンピューターの劇的な進化と低価格化によって状況は一変してくる。市販れている普通のノートパソコンで作られた将棋ソフトがアマチュアのトップを凌駕し、プロに挑もうとする。その理由として、コンピューターの進化によって予想できる手数の数が圧倒的に増えた。羽生さんは著書「大局観」で、実は棋士は全ての手を予想しているのではなく、限られた中から最適な一手を選んで打っている。実は読んでいる手数はそれほど多くないという事を明かしていますが、逆にコンピューターは全ての手を予想して機械的に最適な手を打ってくる。

本書を読むと2つの意見を感じると思います。

一つ目は機械は人間を凌駕する事によって人間の時代は終わったんだという悲観論。もう一つは、機械を理解した上で人間らしい将棋を目指す事。僕はどちらかと言えば、後者に近い印象を受けました。機械に勝てない上で、プロの棋士が人間らしい戦いをする。人間が上とか機械が上ではなく、機械を理解した上でより人間らしい行動をする。

例えるなら、計算で人間は機械に勝てないけれど、それで別に悲観しているわけではない。

少し前にあるプロ棋士が休憩中に将棋ソフトでカンニングした件が話題になりましたが、そこで批判が集中する事にこそ、人はより人間らしい将棋の姿を見ているのかもしれません。

もし電王戦に羽生さんが出場したら、その出演料は4億円をくだらないそうです。

いかにプロ棋士に勝つソフトを開発するのか。人生を捧げてソフトの開発に尽力したプログラマーたちの姿は非常に面白かったです。新書なので気になる方はぜひ。

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宮崎あおいが演じる母親役「バースデーカード」帰ってきたドラえもん並みに泣ける。


個人的に人生で一番泣いた映画を挙げるとすれば、真っ先に上がるのが「帰ってきたドラえもん」です。あのジャイアンとのび太が喧嘩をして(君に勝たないとドラえもんが安心して未来に帰れないじゃ無いか)という名シーン。あそこで涙腺崩壊です。ジャイアンに夢遊病の気がある事は伏せておきますが、本作「バースデーカード」はドラえもん並みに泣ける感動作品です。

小さい頃に病気で死んだ母親(宮崎あおい)から誕生日のたびに届くバースデーカードを巡る暖かくも感動的な物語です。宮崎あおい主演と言えば、個人的に名作だと思っているのが(ソラニン)です。あのラストで歌うたアジカンのヘタウマな歌は素敵です。あの当時、若手と言うか新社会人という位置付け、たぶん20歳前半くらいだったと思いますが、あれから10年以上の時を経て母親役を演じるというのが、個人的には年を重ねたんだなぁ〜と思います。


●あらすじ。


主人公の鈴木紀子は、ちょっと抜けているが憎めない父親の宗一郎と弟の正男、優しくユーモアを忘れない母親の芳恵に囲まれ、ごく普通の家庭で幸せな日々を過ごしていた。
しかし、母親は、紀子が10歳の時に病気で他界してしまう。いつも紀子を励ましてくれた母、このままずっと隣にいてくれると当たり前のように思っていたが・・・。
母と過ごした最後の年の10歳の誕生日、母は、20歳を迎えるまで、毎年手紙を送ることを約束した。
翌年から、本当に手紙が届き、それは、時にクイズだったり、ファーストキスの仕方だったりとユーモアを交えた人生指南だった。
そして、最後の手紙、20歳のバースデーカードには 死を覚悟した母親のささやかな生への希望が綴られて。。。

●感想。


内気な性格で友達も少なかった主人公の紀子に母親である宮崎あおいが語りかける(あなたはあなたの人生の主役なんだよ)という言葉。そこで紀子はこう問いかけます。(ママの人生は幸せだったと言える?)明るく優しい母親もその言葉には即答で返事をする事ができなかった。そして、母親は難病を患い入院する事になる。そこでも明るく振る舞うけれど、本当はもっと長く生きたい、もっと子供たちと暮らしたい。父親である宗一郎(ユースケサンタマリア)に感情をぶつけてしまう。紀子が帰った後で20年後の紀子の姿を想像しながら書く手紙。でも人間は完璧な生き物じゃない。わからない、わからない。20年後の紀子の姿を想像する事ができない。毎年、誕生日の日に届く母からのバースデーカード。ある年には恋人を作る事。ある時には、自分の過去を振り返る旅に出る事。大人になるにつれ、その手紙が重みに変わっていく。でも、開いた手紙には母親の本音が語られていた事に紀子は強く感情を揺さぶられた。自分の前では完璧だった母親がこれほどまでに弱い存在だったとは・・。

そして、物語は入院中のある出来事をきっかけに展開していく。テレビに映し出されたアタック25の映像。母はクイズが得意だった。紀子と交わした約束(ママも出場すればいいのに・・)その時に書かれた、決して投函される事の無い手紙。そして20年後、紀子は母との約束を果たす事になる。

特別に派手なシーンがあるわけではないけれど、物凄く暖かい物語です。特に、20歳を迎えた母からの最後の手紙。でも本当は最後じゃなかった。最後で明かされる真実、そして母親という存在がこの世にはなかったとしても、ずっと自分を支えてくれていた事に気づく。最後に渡された手紙。それには何と書かれていたのだろう。病院で紀子にだまって作っていた未来へのプレゼント。

この宮崎あおい演じる母親がめっちゃ素敵な人なんです。ユースケサンタマリアの父親役も素晴らしかった。踊る大捜査線の署長役の時の悪い方のユースケではなく、父親役としてのユースケの熱演。親が死ぬ事は確かに不幸ではあるものの、親は子供の事を一番に考えている。それと同時に子供も親の事を考えている。物凄く暖かく、決して不幸な物語ではない。ひまわりのように絶えず太陽の方を向いている暖かいストーリーでした。気になる方は是非っ!

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【ネタバレ有り】「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」が過去最低のリメイクだった話

正直、Yahoo映画で絶賛されている理由がまったく分かりません。ドラえもんの劇場版リメイクは過去に何度か製作されてます(のび太の恐竜、宇宙開拓史、鉄人兵団、魔界大冒険)が、まず間違いなく僕は本作が過去最低のリメイクだと思ってます。新しく入れたカットがことごとく間違っているわけです。まぁYahoo映画に関しては(クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃)辺りから不信感を抱いております。今回は、それも踏まえてネタバレ有りで、僕が思うダメだった点をまとめてみようと思います。



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●1.ドラえもんがエビフライカレーを食べている問題。


この時点で往年のファンからすれば有りえないカットなわけです。F先生のオリジナル版では、7万年前の日本に到着して、ジャイアンが住居を作る係、しずかちゃんがお花を栽培する係、スネ夫が食べ物を作る係とか色々分担するわけです。それで、一通り作業が終わって、さー飯だ!という場面(スネ夫がここで大根が食べられないという)といいつつ、なんと大根の中身はカツ丼やスパゲッテイだったという場面。これがオリジナル版だと、ドラえもんは定番のどら焼きを食べているんですが、リメイク版だとエビフライカレーに変更されています。衝撃的ですよね、ドラえもんがエビフライカレーですよ。

まぁまだ100歩譲ってそれはよしとしても、その後、現代の日本に帰ってパパが部長から預かったハムスターにどら焼きを食べられたと激怒するわけです。いやいや、そんなシーン要らないし、普通に古代でどら焼きを食べておけばいいじゃないですか?

●2.タイムマシンで来ているのに深夜に帰ってママに激怒される問題。


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オリジナル版でもリメイク版でもストーリー的には基本は同じですが、微妙に違うのが帰宅する時間。オリジナル版だと(そろそろ家に帰ろうか・・)といって現代の夕方頃にみんなで帰宅して(絶対みんなに内緒だよ)という展開なんですが、リメイク版だと深夜に帰宅する事になる。スネ夫談によると(遅く帰ってママに怒られた)というシーンが入るわけですが、帰宅時間を遅くした意図が不明です。

●3.ほんやくこんにゃく醤油味問題。


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これは往年のファンが好きな古代人ククルが、ドラえもんの「ほんやくこんにゃくお味噌味」を食べて会話をするシーン。これは実は伏線が張ってあって、その後で日本からククルの両親を探すために、のび太が作った動物たちと中国へ旅立つ途中で休憩するシーン。ドラえもんが持ってきたハンバーガーを食べて(この間食べたお味噌味の方が美味しかった)それを聞いたドラえもんが(ククルは素朴な味が好きなんだ)という、ちょっと笑えるシーンが入ってるんですが、リメイク版だとお味噌味から醤油味に変更されているにも関わらず、それに関して一切触れないわけです。

●4.のび太のママがめっちゃ心配する問題。


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これは酷いです。F先生の「できるなら他人に迷惑をかけず自分たちで解決して欲しい」精神に反してます。のび太たちが家でをした数時間後の現代。のび太のママとパパのシーンが入るわけですが、ママが窓を覗きながら(のび太がどこに行ったのか心配でしょうがない)みたいな顔をするわけです。それに対してパパが(心配するな)みたいな事を言うんですけど、完全一人っ子のゆとり世代的発想ですよね。ドラえもんの冒険とロマンという要素が台無しです。

●5.ドラミチート問題。


これに関してはありえないとしか言いようがありません。トコヤミノミヤの途中でハグれたのび太。極寒の地で生死をさまよう中というシーン。オリジナル版だと、ここでマンモスに化けたタイムパトロール隊が謎の小箱と栄養ドリンクを渡すわけです。それが終盤で大きく関係するわけですが、リメイク版だとペガやドラコが登場するのみ。そして、捉えられたドラえもんたちを助けるというシーンになってます。そして、時空犯罪者のギガゾンビが登場して作品の大きな山場となるわけですが、ギガゾンビをドラえもんたちが倒した後で、なんとタイムパトロール隊を連れたドラミが登場するわけですが、僕からしら、はぁ〜!ですよ。タイムパトロールに察知されないために地下に基地作っているのに、なんで来られれるんだよ!ですよ。オリジナル版だったら謎の小箱の発信機で察知できたんですよ。

そもそもドラミが関わった事によって本編のロマンが台無しです。

●6.ギガゾンビ女性隊員に捕まる問題。


これも謎ですが、ドラミが連れてきたタイムパトロールの隊員。明らかに背後の絵だと10人くらい乗ってるはずなのに、なぜか2人の女性隊員に捕まってしまうという問題です。たぶん、ここは政府の検閲か何かの問題なんでしょう。

●7.100万ボルトどころじゃない問題。


ギガゾンビが企んでいた亜空間を破壊する装置が起動し、あと一歩で亜空間が破壊されてしまうシーン。焦るドラえもんたち。そこでククルは亜空間破壊装置を破壊する行動に出るわけですが、ここがすごい。なんと100万ボルト以上電流が流れている電極によじ登って曲げるっていう常人じゃない展開です。もはや、ありえないです。アニメだから有りなのかもしれませんが、のび太が遭難するとか、そういった現実的な展開が台無しです。

●8.結局、偽善問題。


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ククルと別れて現代に帰ってきたのび太。学校にいくのび太を心配して部屋にやってくるママ。ドアを開けると、のび太は机で眠ってしまっていた。シーと伝えるドラえもん。のび太は怒られた事を反省して、その日の予習をしていた。そこで、のび太に微笑みかけるママ。その笑顔をラストに山崎まさよしさんのエンディングが流れる・・。

えっ・・・ですよ。

ドラえもんの最終回じゃないよね?と何度も自分に問いかけました。

これがオリジナル版だと、ペガたちを見送るのび太の場面で終わるわけですが、リメイク版は本当に偽善だとしか思えません。Yahoo映画でなぜ泣けたという感想が多いのか理解できません。僕だけ時代に取り残されているのでしょうか?

Amazonプライムに加入している方は見られますので、ぜひ、新旧比較して欲しいと思います。

以上、「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」が過去最低のリメイクだった話でした。





プロフィール
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二流書評家、映画評論家見習いの「まめタンク」と申します。ビジネス書を中心に書評を書いています。好きな漫画は「ONE PIECE」。今更ながら「ハンター×ハンター」を読み始めました。「銀の匙」も面白いですねー。好きな音楽は「ELT」さんの楽曲です。ジブリ作品なら王道のトトロではなく「耳をすませば」。好きな映画は「スタンド・バイ・ミー」です。Mac使い、iPhone信者です。

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