僕が六本木に会社をつくるまで
田中 良和
KKベストセラーズ
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僕が六本木に会社をつくるまで 90点(100点満点中)
GREEといえば、「釣りスタ」や「ドリランド」などで有名な携帯向けソーシャルゲームの会社です。年間600億円を超える売り上げをたたき出し今や日本を代表する巨大ゲーム企業へと成長したGREE。先日、フォーブスで発表された世界の億万長者ランキングにおいてGREEの社長である田中氏の資産が1000億円だと発表されました。これは世界では2番目に若い億万長者だそうです。そこにはどんな秘密が隠されているのか?今回は、そんな田中氏の著書「僕が六本木に会社をつくるまで」から探っていきたいと思います。

●GREE社長、田中良和の1000億円稼ぐ仕事術。
ゲームより面白いものがあると知れ!
田中社長は幼少の頃、根っからのゲームオタクだったそうです。時は、ファミコン全盛期。ドラクエやファイナルファンタジーを徹夜でしていた少年だったそうです。筋金入りのゲームオタクとして、親にねだって新聞を(ゲームの販売時期が分かる)という理由から日経新聞に変えてもらっていたそうです。

そんな彼を変えのだか、アルビン・トフラーの「パワーシフト」だった。「「情報革命」こそがこれから人類が直面する新しい時代だ」という一文に心、惹かれたそうです。それ以来、熱狂的にはまっていたゲームとは無縁の生活をしていたそうです。こんな一文があるので紹介しましょう。「ゲーム少年が大人になる一番の方法は、人生というゲームを発見し、全力で取り組み始めたほうがずっと面白いということに気づくことだった」。
インターネット革命
そして次に彼を心踊らされたものがインターネットだそうです。ネットスケープが世界初のブラウザを発表し、Windows95が発売された頃、田中社長の原点はここにあるといっても過言でないのかもしれない。その後、田中社長は楽天で楽天広場や楽天アフィリエイトの開発などを手がけることになる。
やりたいことをするための方程式
1.「なんとなく毎日が過ぎるのを待っている人生ではなく、自分のやりたいことがあって、そのために過している人生でありたい。」
2.「自分のやりたいことを仕事にしなかったら、人生の多くを使う仕事の時間は、毎日つまらない、本当にやりたいことを仕事にすることで100%自分がやりたいことをできる人生にしたい」
3.「僕は、人生をお金に変えるマシーンでもないが、お金がないとやりたいこともできない」

つまり、

「やりたいことがあって、それが仕事になって、それでお金が稼げるようになる」
GREEサポートに届いた1通のメール
「このサービスは、個人がボランティアで運営していると聞きました。万が一、田中さんに、何かがあった時にサービスはどうなってしまうのでしょうか?」

継続して運営していくには組織でやるしかない。そう思わせたのがこの一通のメールだったそうです。どんな良いサービスでもサービスがなくなっては意味がない。良いサービスならばこそ、継続的に安定して提供し続けなければならない。そう思ったそうです。
永遠のベータ版
グリーはアルファ版として、2004年2月にサービスを開始しました。通常ソフトを開発する時には、まず「アルファ版」という第一段階、「ベータ版」という2段階を経て、「正式版」としてリリースされます。しかし、グリーはあえて永遠のベータ版を貫いているそうです。ユーザーの要望に迅速に対応し、臨機応変に改善に着手する。「常に最善を模索し続けるため作り続けなければならない」田中社長はこういいます。
行動する事こそ最善
「やりたいことを実現するためには、少しずつでも行動に移して、実行していくしかない。それ以外に道はない」

これは多くの人を悩ませる問題ですね。実際、動くには何かしらのリスクを取る覚悟が必要です。会社をつくるのなら安定的な会社員というポジションから外れないといけない。夢を追いかけるのなら時間を犠牲にしなければならない。ただ前に進む最良の選択肢は動くことだと思います。とりあえず挑戦してみて、ダメなら仕方ない。そのくらいの覚悟が必要だと思います。大きい事でも小さい事でも。
人生はプロセスこそ全て
多くの人が結果のみを求めているように感じる。成功するんですか?儲かるんですか?という声ばかりが聞こえる。もちろん、ビジネスにおいて結果は絶対に必要だ。だけど、人生においても同じように考えていいだろうか。僕は違うと思う。人生はプロセスこそが全てだと思う。死ぬ1秒前に100億円もらうより、1000万円をいま使って楽しむことのほうがずっとうれしいし、栄養を確保するために食事をとるにしても、人生の意味はそこで交わされる会話や味覚のほうにあるのだ。僕は、自分の目指すものを求め続ける姿勢が生み出す「プロセス」、つまり、そういう価値ある経験が生み出すしくみこそが大事だと思う。
「もちろん、必ずできるという保障はない。だが、やりたいのだからそれを目指すしかない。答えは常にシンプルなのだ。」

おわり。