↓最新記事はこちらからご覧いただけます。
Blogで本を紹介しちゃいます。
下町ロケット。そのタイトルを聞いて連想するのが「町工場」でしょう。この物語はそんなロケットに夢を抱く若き社長、佃製作所の夢とロマンを追及した物語。アポロ11号、ニール・アームストロングの左足が月面に触れた瞬間、その瞬間をテレビにかじりついて見ていたあの頃…。それは、あるい意味で夢であり、ある意味で空想なのかもしれない。ライバル会社に訴えたられる。大手企業帝国重工からは下に見られる。著者が元銀行員ということもあり、その描写はとても現実的。実際、下請けいじめというのは今でも存在するらしい。夢とロマン、そして現実の狭間で見れる経営者としての身分。面白い、ページを読む進めていくうちに佃製作所に感情移入している自分がいた…。
この本は簡単に説明すると、ある町工場「佃製作所」が大企業である帝国重工にロケットのバルブを提供するまでのお話しです。その経緯は本書を読んでいただくとして、この本はどんな立場で読むのかによってだいぶ印象が違う。町工場で働く社員目線で、帝国重工のような大企業の社員目線で、また学生やフリーターなど会社に属してない方目線で。それぞれの視点で見ると面白い。ある特許の関係で帝国重工よりも先に特許を獲得してしまった佃製作所。その特許を20億円で売ってくれと頼まれる。さぁ、あなたならどうするか?特許を売れば確実に資金が手に入る。一方で、自分の夢を実現するためにロケットのバルブを供給したいと懇願するのか。
帝国重工の社員は態度がでかかった。財務状況、社内視察。どんな立場からいっても上から目線。「お前らみたいな小さな町工場に興味はねぇ!さっさと特許を売りやがれ」今にでも口に出そうな態度をとる。結果的に本書の結末がハッピーエンドかバッドエンドなのか分からない。しかし、そこにはお金でも名誉でもない町工場としての誇りが見て取れる。そのバルブの特許を何に使うのか?本書では一筋の光が見えているが、はたしてそれが正解なのだろうか?
著者が元銀行マンだっただけに、その背景や結末は堅実感を漂わせている。
お金を稼ぐ事が全てじゃない。時には夢や希望を追うことも大切だ。
本書を読んで強く思った事です。しかし、現実は現実で存在しているんですよね…。
370ページ近くある本ですが、すらすらと読み進める事ができます。