なでしこジャパンの澤穂希。サッカー選手として活躍してきた十数年間を総括しながら、夢を追う大切さ。「あきらめない自分」を作る方法が紹介されている。女性が読むと共感する部分が沢山あるかもしれない。夢のレンガを積む。それが次第に階段になる。こんな言葉が心に突き刺さる。本書を通じての澤選手は「普通の人」。だけど、努力や負けん気の強さでは誰にも敵うものはいない。サッカーを心から愛している姿がひしひしと伝わってくる。天才による凡人のための本ではない。凡人による凡人のための本です。夢をかなえる。 思いを実現させるための64のアプローチposted with amazlet at 11.12.08澤 穂希
徳間書店
売り上げランキング: 4950
そんな、なでしこジャパンの澤選手が今までの選手経験を通して感じた生きかた術というのを紹介されています。
サッカーの男子日本代表のリーダーである長谷部選手の「心をととのえる」という本が大ベストセラーとなっていますが、この本はその女性バージョンと言えるのかもしれません。(デザインが多少似ているのが気になりますが…)今回は、そんな澤選手の生きかたについて紹介してみょうと思います。
●夢のレンガを積もう…なでしこジャパン澤穂希流の生きかた術。
夢は絶対に逃げない
「でも自分には、子どもの頃そんなに夢中になっていたものはなかった…」いいえ、子ども時代の話はほんの一例です。本来、夢を現実にしていくのは大人になってからのことですから。夢を見つけることは、大人になってからでも十分にできます。だって夢は、いつも「好き」から始まるんです。重要なのは、好きなことに対して、子どものように夢中になれること。好きなものを「もっと好きになりたい」と思う気持ちを持ち続けること。大人になると、これはできる。これはできない。言い方を変えるのなら物の分別が付きようになります。それと同時に子どもの頃のように夢中になる事が少なくなってきます。しかし、夢を持ち続ける事は何歳だってできる。例えば、50代で英語が喋れるようになりたい。ピアノが弾けるようになりたい。全然、不可能な夢じやないですよね。(笑)
夢を恥ずかしがらない
好きなみものを見つけ、それを夢に掲げて、目標を立てる。文字にすればたった一行で、すごくシンプルです。でも、シンプルで分かりやすいからこそ、いとも簡単に「あきらめて」しまうことが多いのではないでしょうか。夢を育むのも自分ですが、阻むのも自分です。「自分にはどうせできないよ」と思ってしまったり、「無理だよって笑われたら、ちょっと恥ずかしい」と思ってしまう弱気な心が、夢を阻むのかもしれません。夢を叶えれるかどうかは実力以外にその人の心がけで変わってきます。要はメンタルな部分でしょうか。「なでしこジャパン」はメンバーの誰しもが「ワールドカップ優勝」という高い目標を抱いていました。誰一人として、負けるかもしれない。と思うのではなく、絶対に勝ってやる!そんな思いで望んだそうです。
過去の自分を大切にする
負けた時や失敗した時に一番必要なのは、次に同じような失敗を繰り返さないこと。それは、その失敗を責めないことだと思います。人生長く生きていれば失敗はつき物だとも思います。ちょっとしたミスから大きなミスまで。その度に凹む事も大切でしょう。しかし後ろばかり見ていたら前には進めません。失敗は失敗と捕らえて次に進む事が大切です。
毎日、夢のレンガを積む
夢のレンガとは、自分の足元に自分で積み上げるものです。自分が立っている地面に、一日一段、レンガを積むんです。翌日は、その自分で積んだレンガの上に立って、また一段、新しいレンガを積むんです。そうして一段ずつ積み上げていけば、ずっと先にある夢は「高い壁」ではなくて、「階段」になっているはずです。壁は一気に乗り越えられなくても、階段だったら上れそうだと思いませんか?澤選手はコンディションが悪い時でも少しでもいいいから自分の前に夢のレンガを積むことで夢への実現ができると言っています。夢のレンガを積む。一見、高い壁であっても夢の階段を作ることができれば、その障害は乗り越えられるはずです。ドラえもんに空気ペンという道具がありますが、それと似たような感覚かもしれません。
起こったことすべてに意味がある
私は2004年の大怪我から、3つのことを学びました。1つは「普通」であることのありがたみです。(中略)2つめは、どんなにつらい現実も、やがて自分の糧になるということです。つらいことに直面したら、その時は泣いたっていい思います。ひとしきり泣いたら、次はもうそこから上るだけ。一度どん底に落ちて、そこから這い上がる経験をしたら、人間、絶対にひと皮むけて大きくなれます。結局、夢や目標が達成できるかどうかって自分次第なんだすよね。ショートカットで夢を実現した人なんていない。例えば、ホリエモンにしろGREEの田中社長にしろ、昨日,今日に目標を達成して億万長者になったわけでありません。その影には人一倍の努力や力が宿っているはずです。失敗して落ち込んでもいい。失敗して這い上がった者こそ最高の戦士です。
3つめは、つらい境遇にある時、それでも夢をかなえられるかどうかは、結局自分がやるかやらないかに懸かっているということです。夢のゴール地点まで、誰が代わりに走ってくれるわけではありません。頑張るのも自分、あきらめるのも自分。夢に届くか届かないかは、自分次第なんです。
「負け」は「気づく」チャンス
「失敗は成功のもと」という諺は、誰もが子どもの頃から何度も聞いてきたと思います。そうは言われても、普通、失敗は怖いですよね。でも、もっと怖いのは、失敗を恐れるあまり、物事にトライしなくなることです。成功するか、失敗するかは、やってみなければ分かりません。いままでに一度も成功したことがなくても、次の一回が成功する回なのかもしれません。たとえまぐれでも、「できた」という成功体験には必ず喜びが生まれます。だったら、「どうせ失敗するだろうな」と思いながら消極的にやるよりも、「できる」ということだけをイメージして取り組んだほうが、いろいなことに気づけます。失敗するのは怖いです。受験にしろ資格試験にしろ会社での事にしろ。多くの人が怖さを恐れるあまりに、無難な選択肢を取る場合が多いようです。ここら先は挑戦するのが怖い。株の世界にはこんな言葉があります。「ハイリスクハイリターン」「ノーリスクリーリターン」。つまり、どこかで挑戦的な事をしなければ満足いく結果を出す事は難しいという事です。不安であってもどこかで挑戦してみる。女子ワールドカップ決勝戦のプレッシャーに比べれば、我々のプレッシャーや恐怖なんて子どもみたいなもんですよ!!
夢をあきらめない
夢から逃げない
夢を忘れない
本書からは、そんな思いが伝わってきました。