カーズの1はピクサーの中でも名作の部類に入る傑作でした。ピクサー創設の功労者で天才的アニメ監督である「ジョン・ラセター」監督という事で2もかなり期待してみました。しかし、結果は残念な事にイマイチでした。いゃ娯楽作品としての完成度は高いです。ただ、大人から子どもまで楽しめる映画会社であるピクサーが犯した過ちでしょうか、良い意味でも悪い意味でも娯楽作品になってしまっています。カーズ2 DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]posted with amazlet at 11.12.06ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 (2011-12-02)
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天才的レーサーであるマックィーン(声 土田大)は世界で開催されるワールドグランプリに参加する事になった。親友であるメーター(声 山口智充)やピックトクルーとともに東京を訪れていた。初の遠出でうかれてしまったメーターは現地でオイル漏れを起こしたり、マックィーンの評判を下げたりふんだり蹴ったりな行いをしてしまう。マックィーンとの友情にもひびが入るが、そんな折、英国の諜報員であるフィン・マックミサイルと出会う事になる。イギリスの諜報部員と間違えられたメーターは隠された陰謀に巻き込まれる事になる。
この作品は日本を題材にした映画、そして、パヒュームのポリリズムが全世界挿入歌として採用された事もあいまって日本でも大注目の映画でした。正直に言うと、海外ドラマ「HEROES」のような中国的な日本が描かれるのではないかと心配もしていましたが、日本が日本として描かれている点は良かったと思います。相撲、芸者、ネオン街。事前に調査している所は好感触です。ただ日本人向けというより外人向けですね。日本の伝統、相撲といいますが映画公開時には八百長疑惑で揺れていわけですし、トイレのオシュレットネタも日本人にとっては寒いです。(外国人受けはするのでしょうね)本作は大人も子どもも楽しめるピクサー作品ではなく、正確にはピクサー寄りのディズニー映画といった所でしょうか。前作のように古きアメリカの復権といったテーマもないですし、ガソリンとクリーンエネルギーとの陰謀というのもあるものの、ネタは完全に子ども向けです。ロックフェラーとかロスチャイルド的な陰謀論を描けば大人も楽しめるのかもしれまんが、それだと笑うに笑えませんね。
これは確実に言える事ですが、子ども目線だったら90点台を付けてもよかったと思います。
ただ、「トイストーリー」「カールじいさん」など大人も子どもも楽しめる作品がピクサーの醍醐味だっただけに、その点は残念だと思います。隠された陰謀、ガソリンとクリーンエネルギーを巡る攻防。あるプロットが隠されていて最後には、そうだったか!という謎解きが隠されている点は面白かったですね。本作では前作において脇役に徹していたメーターが主役級の扱いを受けている点です。メーターが主役といっても過言ではありません。映画終盤、真の黒幕をメーターが暴くシーンがあるのですが、いつ謎解きしたんだよ!という位に淡々と事が進行していきます。視聴者としては黒幕にもメーターにも感情移入できない時間が進んでいきます。
娯楽作品としては最高!ピクサー作品としては、ほどほどの作品。そんな感じです。