皆さん、アリとキリギリスの童話をご存知でしょうか?夏場、アリはせっせと働いて、キリギリスは遊んで暮らす。冬になってアリは夏場に溜め込んだ食料で楽しく暮らすが、キリギリスは遊んでいたため蓄えがなく悲惨な運命を背負うという物語です。遊んでばっかりいるとダメだよ、という戒め的な物語ですが、よく社会の縮図として紹介されるものです。アリは現代風に言うならサラリーマン。キリギリスはニートやフリーター、自分の好きを貫いている方…といった所でしょうか。

昔、10年近く前は終身雇用制、年功序列でこの物語は成り立っていました。サラリーマンとして毎日コツコツ働いておけば老後に年金と退職金で悠々自適に暮らせる。逆に、ニートやフリーターは将来の不安がつきまとう。しかし、2011年の現在その物語は成り立たなくなっているのではないでしょうか?少子高齢化の勢いが止まらない…ニュースでよく聞く言葉です。賦課方式である年金を1人の老人に対して何人で支えているか?という事が度々聞かれます。数年前までは4.5人で1人のお年寄りを支えていると言われていました。現在は3人か2人だったはずです。将来的、2020年〜2030年頃には1人のお年寄りを1人の若者が支える時代が到来すると言われています。

年金の受給年齢は上昇の勢いが止まりません。年金支給年齢が69歳に引き上げられるという話しも聞きます。ただ一つ言える事は、現在のお年寄りも未来のお年寄りも決してキリギリスではなかったという点です。会社のためにせっせと働いて忠誠を尽くしてきた。わかり易く説明すれば、今のお年寄りはアリです。日本は全体的に見ればアリの方が多いと思います。しかし、ふと蓋を開けてみれば、日本の将来には暗い影が立ち込めています。せっせと働いたのに何故?Why?と思う年配の方も多いと思います。

東電のように原発事故で国有化の方針を打ちだされた。
JALという超優良企業に就職したのに、企業年金をカットされた。

などですね。

逆に、現代の世の中はキリギリス的な成功多いような気がします。
好きなゲームに没頭した挙句、ゲーム会社に採用された。ホリエモンのように大学時代に起業をして短期間で莫大な資産を手にする。(ホリエモンは結局、全額没収されましたがね)。サイバーエージェントの藤田社長、GREEの田中社長など、自分のやりたい事をつら抜いた結果、成功するという事。その中には勿論、綿密なプランはある事は違いないです。それに加えて失敗というリスクも背負っています。しかし、アリに比べたら自由な生きかたなのではないでしょうか?

資本主義というのは別の言い方をすれば、一部のキリギリスがアリを食う事なのかもしれません。働きアリは所詮は全体の中での1つでしかありません。無ければ別の人が変わりをすればいい。大前研一氏がよく言うリーダーというのも総称すればキリギリスの事なのかもしれません。ウォール街の投資銀行。ゴールドマンサックスなどの高額な給料もまさにキリギリスの象徴ですね。キリギリスには代わりがいません。一部のアリは新興国の安い賃金労働者で十分。まさに、任天堂やアップルが行っている事です。日本のアリに未来はあるのか?もはやアリに未来はないのか?難しい問題ですね。

あなたはアリですか?
あなたはキリギリスですか?

冬が越せなくてもキリギリスになりたいですか?
普通の生活を守るためにアリでいますか?

今の時代に求めるられているのは自分の好きを貫き通す強い気持ちと、好奇心なのかもしれません。

ばーいちゃ!