100,000年後の安全 [DVD]
100,000年後の安全 [DVD]
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アップリンク (2011-12-23)
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3.11の原発事故以降、原発に関する意識が大きく変わりつつある。安全でクリーンなエネルギーであるはずだった「原子力発電所」。そんな3.11から数ヶ月、師走にレンタル開始されたのが本作「100000万年後の安全」簡単に説明すれば、「原発から出る高レベル廃棄物はどうするの?」という趣旨のもの。ガラス化されて地中に埋める。本作では、フィンランドのオンカロプロジェクトをドキュメンタリータッチで紹介する。 レンタルされたのが2011年。製作されたのが2009年。3.11後と以前とでは放射能に関する認識がだいぶ違う点は注意しておきたい。
世界中の原子力発電所から排出される高レベル放射性廃棄物が、暫定的な集積所に蓄えられている。フィンランドでは、世界で初めて、高レベル放射性廃棄物の「永久地層処分」建設を、国会が承認した。完成の22世紀に向けて、その巨大な地下都市のようなシステムを建造し続けて行く。それでもなお、安全が保証されたわけではない。10万年後の人類がその施設の危険性を理解するだろうか。どうすれば確実に警告できるのだろうか。国家をあげて、放射性物質を人類から隔離するための政策を検討しているフィンランドの姿勢に、今の日本の我々も、学ぶところがあるのではないか。
プロフッェショナル仕事の流儀的な、ガイアの夜明け的なドキュメンタリーを想像すると後悔する。ずっと喋り続けている点だ。それは、ドラクエで次のストーリーに進むためのヒントを村人に聞き回らなくてはいけない退屈な作業のよう。圧倒的な映像美という文句が付いているが、映し出されるのは原発から出る高レベル廃棄物を埋めるための地中に彫った穴と原子炉の映像といった限られた数箇所のみ。「ここに廃棄物が埋められますよー」「ここに10万年生めておく。後世はその廃棄物を管理できるのか?」といった問題提起がされている。それは良い、問題提起としては全うな主張だ。10万年後、子孫たちが廃棄物の蓋を開けられては困るからだ。淡々とした主張。マドセン監督がマッチの薄明かりの中で素朴な疑問や想いを投げかける演出は評価できる。

笑っていいとも!が放送開始したのが32年ほど前。ペリーが黒船で来航したのが200年ほど前。日本書記が書かれたのが今から1200年前だ。10万年という月日がいかに遠い世界なのは想像できるだろう。

10万年後、この施設のことをどうやって伝えよう。「フィンランド語?英語?」。誰も到達したコトのない10万年後という世界。我々人類は10万年後生き続けているのだろうか?未来の子どもたちに安全という遺産を残すことがでるきのか?それは我々が今生きている間に決めなければならない。

3.11後、原発問題はより深くより深刻な問題になってきたようだ。その点で言えば、この作品の原発の未来については参考にする部分が多いかと思う。目と鼻の先の「福島原発」の事故。54基の原発を抱える日本の原子力発電の未来を先取りするプロジェクトだ。日本では最終処分場すら決定してない。その点で言えば示唆にとんだ作品だ。ただ、夜中に観たら確実に寝てしまうだろう。エンターテイメントとして視聴すると失敗する。固いドキュメンタリーとして視聴する事をオススメします。